建築家が考える注文住宅のデザインと施工例 20 選
注文住宅を検討するとき、だれもがデザイン性のいい家にしたいと思うのではないでしょうか。
特にハウスメーカーの同じような外観・仕様、よくある建売のような家では満足できない方、または注文住宅をせっかく検討するのであればデザインにこだわりたい、という方に必見の内容になっています。
ただし、デザインには正解はありません。
今回は、注文住宅において唯一無二の設計ができる titel(タイテル)の建築家の事例も交え、デザイナーズ住宅を参考に「自分のスタイル」を見つけてください。
デザイン性を高めるポイントと同時に、スタイル別の事例や外観・内観で特に秀でた事例もみていきましょう。
1. 注文住宅のスタイル別デザイン(デザイナーズ住宅)
まずは建築家によるデザインの事例をもとに、スタイル別のポイントなどを紹介していきます。
ご自身の好みのスタイルを中心に参考にしていきましょう。
1-1. スタイリッシュなデザイン
スタイリッシュな外観および内観を形成するポイントとしては、色を白・黒・グレーをベースにすることです。
外観は屋根の形状、特に軒の出を極力なくすことでスタイリッシュな印象が強くなり、全体としてもシャープなイメージになります。
事例でも屋根はフラットな陸屋根を採用し、軒の出もほとんどない納まりになっており、デザイン性を際立たせています。
内観も色以外のポイントとしては、できるだけシンプルに設計することです。
また、開口を大きくとる設計はスタイリッシュなデザインと相性が良く、シンプルにした内観を外の景色で彩りを補完すると良いでしょう。
1-2. モダンなデザイン
モダンの外観・内観の事例です。
モダンは非常に幅広いスタイルでありますが、レンガを基調としたモダン住宅の事例になります。
外観は妻方向(建物の長い方向に対して直角な側面)にそびえるレンガの壁が印象的な建物です。
まるで何枚ものレンガの壁が重なっているような外観は、街のシンボル的な位置づけになる建物と認識されることでしょう。
内観は、床を石材で設計されていることや、窓を大きく枠のないデザインに仕上げることと、所々に木目や外観と同じようにレンガが組み合わさることでモダン建築となります。
石材や窓デザインだけではスタイリッシュに寄ってしまいますが、このように他の素材をうまく組み合わせることでデザインの奥ゆかしさが表現されています。
1-3. 和モダンなデザイン
幅広い年齢層に人気の高い和モダンの事例です。
古民家の改修事例ではありますが、外観をブラックで統一することで、古臭い雰囲気を一掃し蘇らせています。
奥へ通じる通路の間接照明が、高級旅館のような佇まいを演出しています。
新築でもリフォームでも同じように、和モダンのスタイルには派手過ぎない照明設計との相性が良いです。
内観も、比較的照度の低いインテリアにすることで、奥ゆかしさを演出しています。
古民家の良さを活かすべく、焦げ茶色に塗装された柱や梁を見せる設計になっており、アクセントとして味を出しています。
1-4. 洋風なデザイン
洋風で取り上げる事例は、広々とした庭が印象的な事例です。
洋風のデザインは幅が広く、コンセプトなどをブラさないことが意外と難しいです。
外観は建築家ならではのデザインで、スッキリとした設計になっています。
屋根を大きくした設計で、デザイン上の特徴だけでなく、夏の暑い日射をさえぎり涼しくすごせる機能性も備えています。
内観は、全ての部位で洋風を意識し過ぎると派手になりがちですが、照明・家具などでアクセントになるポイントで、洋風のアイテムを取り入れると良いでしょう。
1-5. 南欧風なデザイン
こちらの事例は、歯科医院の事例ではありますが、南欧風のスタイルが魅力的なため事例として取り上げています。
南欧風は、南フランスやスペインの地中海地方をイメージしたインテリアのことで、洋風の中でも植栽などを多く組み合わせた、あたたかいイメージのスタイルです。
ファサードにシンボルツリーが目立つように設置されている点と、明るい色の石を使った塀が南欧風の雰囲気を演出しています。
内観も天井付近に窓を設けることで、日中は照明がなくても陽が差し込み、とても明るい室内です。
ナチュラルな木目が基調となっているインテリアと、全体的に採光をしっかり取り込むインテリアはまさに南欧風のイメージにピッタリでしょう。
1-6. カジュアルなデザイン
こちらの事例は、白と木目を組み合わせた明るくカジュアルな印象の注文住宅です。
外観のデザインとしては白と木目をベースにしており、海辺のリゾートの建物のようなイメージに仕上がっています。
夜間は、玄関まわりの木目を照明で際立たせたり、植栽に間接照明を当てたりすることでコントラストがうみだす陰影がオシャレです。
内観も外観と同じようにやさしい木目と、ホワイトを基調としたインテリアになっています。
海と関係の深い趣味があることから、新築にも明るい南国リゾートの雰囲気を採用しています。
1-7. ナチュラルなデザイン
最後は、デザイン性を際立たせにくいナチュラル・スタイルです。
やさしい印象に仕上げるため、尖ったデザインでデザイン性を上げにくい側面がありますが、事例では家族が集う明るくも、デザインが光る家になっています。
外観はホワイト一色であるものの、片流れのシャープな印象の形状になっています。
家のシルエットはモダンな印象ですが、ホワイトでまとまっている点と、ファサード側の窓の位置・大きさも考慮しデザイン性を向上させています。
内観は、無垢材を中心とした木材を所々で使うことで、スマートなナチュラル・テイストでまとまっています。
アクセントクロスも明るい色をワンポイントで使うことで、くどくならずスッキリしたインテリアです。
2. 注文住宅のデザイン(デザイナーズ住宅)で取り入れたいポイント
それでは、注文住宅を検討する中で、デザインとして取り入れると良いポイントをお伝えしていきます。
2-1. 外観
建築家と外観を検討する上で、取り入れると良いポイントを 3 つ紹介します。
2-1-1. 正面からの家の形状・バランス
まず外観を構成する上で、非常に重要なポイントが「形状とバランス」です。
家の外観は、屋根・外壁・窓・バルコニー等の要素で構成されていますが、これらのバランスが特に重要です。
例えばスタイリッシュモダンに仕上げていくのであれば、屋根は陸屋根して軒の出を小さくする、といった形でバランスを整えていきます。
ただし、外観は間取りに大きく左右されるため、外観から考えるのではなく、間取りが出来上がった段階で建築家側で整えていくことが一般的です。
キッチンなどの設備のように有るモノから単純に選ぶわけではないため、形状・バランスについては建築家に任せた方が無難に仕上がっていくでしょう。
2-1-2. 窓は重要性が高い
外観そして内観までもの見え方を大きく左右する要素の 2 つ目は「窓」です。
窓は幅・高さの大きさ以外に、引き違い窓・FIX 窓(羽目殺し窓)・縦滑り窓などの様々な形状があります。
一般的に多く使われる窓は引き違い窓ですが、安価で使い勝手が良い反面、どうしても窓の真ん中に枠が入ることや、四方にも枠が出てくるため、デザイン性を重視する際には意外と不向きな窓です。
デザイン性を重視する場合、FIX 窓がオススメです。
理由は、オーダーの大きさでプランや外観に合わせて設計できることと、開閉ができない反面で窓枠が不要です。
そのため、窓を内・外から見た時に、シャープな納まりにすることができます。
2-1-3. エクステリアと同時に考える
家は、建物本体だけでなく基礎や玄関アプローチ、そして周囲の外構(エクステリア)によって外観の印象を大きく左右します。
一般的な住宅会社などでは、外構を別の業者で行うこともしばしば見受けられますが、その家のコンセプトまで含めて、本来は同じ建築士が道路からの全体の見え方まで計算して設計することをオススメします。
外構は、シンボルツリーに何を植えるかという樹種 1 つをとっても、季節ごとの見せ方や印象が変わってきます。
注文住宅を検討する際に “ ケチ ” ってしまいがちな外構ですが、外構には適度なコストと設計をかけて初めてデザイン性の高い注文住宅が完成します。
2-2. 内観
つづいて内観のデザインを際立たせるためのポイントをみていきましょう。
実際は室内から内観を見ている時間の方が長くなりますので、内観も同時にこだわっていきましょう。
2-2-1. 家のコンセプトと内観の統一感
一言で表すと、外観と内観の相関性です。
例えば和モダンの外観に対して、内観が白・黒のモノトーンなデザインでは、少しちぐはぐな印象が出てしまいます。
どちらかが単体でまとまっていたとしても、統一感がないと残念な印象を与えかねません。
内観も外観も共通して言えることですが、コンセプトをブラさないことが重要です。
少し印象を変えたい、違うテイストも楽しみたい、という方は例えばトイレ空間だけ異なったスタイルにする、など部分的に限られたところにしましょう。
2-2-2. 照明設計で演出
必ずしもこの照明がいい、という方程式はありませんが、照明設計は内観を最大に引き立てるアイテムです。
昨今は照明器具の多様化・技術の進展に伴って、ダウンライト・間接照明・スポット照明など数えきれない種類の照明があります。
照明の色・照度(光の強さ)・光の方向などで同じインテリアでも見え方が大きく異なります。
建築家に人気が高い照明は、ダウンライトと間接照明の複合形態です。
特に間接照明は建築側で壁を設けたり、立体的な空間設計が重要になってきますので、インテリアスタイルに合わせてデザインを任せるとよいでしょう。
2-2-3. 階段 / 吹き抜けの設計
2 階建て以上の住宅では「階段」が、プランおよび内観を構成する上で重要な要素を占めています。
こちらで紹介している写真は、カーブ状の階段が印象的な事例です。
階段は様々な形態がありますが、リビング内階段ではこのようなダイナミックなデザインを演出しやすいです。
一般的には箱型階段と呼ばれる階段が主流ではありますが、デザイン性を重視したい場合、階段にもこだわると良いでしょう。
3. titel(タイテル)の建築家が手掛けるデザイン(デザイナーズ住宅)
それでは外観・内観それぞれで、建築家が特にデザインにこだわった注文住宅をピックアップしていきます。
3-1. 【外観】無垢材外壁が創り出す柔らかいスタイリッシュな注文住宅
1 つ目の事例は、外壁に無垢材を採用している事例です。
無垢材は経年とともに素材の変化を楽しむことができます。
また、屋根も陸屋根かつ軒の出が少ないことで、シルエットはスタイリッシュ寄りな構成にしています。
しかし、木材が持つやわらかい印象がスタイリッシュな要素を少しやわらげ、目を惹く素敵な事例に仕上がっています。
中庭の植栽は室内から楽しむと同時に、家の外側からみたときにもワンポイントの飾りがさりげなくオシャレです。
3-2. 【外観】生活上の機能とデザインを両立したデザイナーズ住宅
こちらの事例は、周囲が建て込んでいることから周囲の視線、そして幹線道路が近いことから騒音をできるだけ遮る設計になっています。
周囲からの視線や音を遮ろうとすると、どうしても閉塞感が出がちなデザインになりがちです。
しかし、こちらも事例は吹き抜け・採光窓を上手く取り入れることで、隣地などからの視線を遮りつつ明るい室内を実現しています。
そして最も印象的なシルエットは、ファサードから見えるガルバリウム鋼板で構成された台形のデザインです。
この窓がないスッキリした形状で、パッと見の印象を大きく上げています。
3-3. 【外観】ホワイト × モダンのデザインでまとまった注文住宅
外観の 3 例目は、ホワイトで外観を統一したデザイナーズ住宅です。
この事例でもポイントであげた窓が印象をアップするポイントになっています。
正面から見えるスリットのような窓は、幅の細い FIX 窓のみで構成されており、スマートな印象を出しています。
これが一般的な引き違い窓などであると、印象が大きく崩れてしまいます。
外観はモダンな印象を創り出していますが、中にはデッキ空間・坪庭空間・吹抜け空間によって各室に広がり感を与え、デザイン一辺倒ではなく普段の生活としての機能性も確保されています。
3-4. 【内観】シンプルな和モダンのデザインが際立つ注文住宅
まず 1 つ目の事例は、落ち着いた和モダンの内装の代表事例です。
リビングには床・天井に無垢材を使用することでオトナなインテリアに仕上がっています。
スッキリしたインテリアという印象を受けると思いますが、ココで注目すべきポイントは天井に照明を設けていないことです。
壁面の照明、ダイニングのペンダントライト、家具として設置するフロアライトで照明を構成しており最低限の照明となっています。
照度を落とすことで、より一層和モダンの落ち着いた雰囲気を演出しています。
3-5. 【内観】スマート・ラグジュアリーなデザイナーズ住宅
続いて、内観の 2 例目は明るく開放感のある事例のご紹介です。
別荘として設計された、こちらのデザイナーズ住宅は、リビングに浴槽があったりと一風変わった設計になっていますが、浴槽もデザインの 1 つです。
特徴的なポイントは「窓」です。
枠のほとんどない納まりで、天井・床とフラットに仕上げていることで、より一層スタイリッシュなイメージを出しています。
3-6. 【内観】パッシブハウスとしての機能とデザインを両立した注文住宅
3 例目はパッシブハウスのお手本のようなデザインになっている注文住宅です。
パッシブハウスは南面に大きな開口を設けて冬は日射を多く取り込みます。(夏はブラインドなどで遮る)
開放感のある吹き抜けと、存在感が際立つスケルトンの階段がアクセントとなっています。
内装は無垢材を中心に、ナチュラルなインテリアに統一されており、やさしくもスマートな印象を創り出しています。
3-7. 【内観】幻想的な空間が魅力のデザイナーズ住宅
最後に特徴的な内観が魅力の事例の紹介です。
13 個の要望諸室を満たしつつ、壁で閉じることなく 2 階全体を 1 坪グリットに分割されています。
境界としての半壁を設置し、そこに部屋を配置された間取りで家族を常に感じつつも、程よい距離感を半壁が創り出します。
2 階の室内には仕切りや柱がなく、また天井からは植栽の上から降り注ぐ日射で、昼間は自然光による心地よい空間になります。
4. まとめ
ここまでに合計で 20 棟の注文住宅をピックアップしながら、デザインについて解説してきました。
スタイルは人それぞれで、デザインには ”これ” という正解はありません。
建築家の事例を参考に、ぜひ「自分のスタイル」を見つけてもらう参考になりましたでしょうか。
気になった事例、また自分も同じようなスタイルで新築・リフォームしてみたい!と思った方は、ぜひ titel(タイテル)の建築アドバイザーに無料相談 してみてください。
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「じゃあ実際、私がデザイン性の高い注文住宅を建てたいと思ったときはどうすればいいの?」「検討を始めたいときは、誰に相談すればいいの?」と思っているあなた、ぜひタイテルの建築アドバイザーにご相談ください。
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