【実例9選】モダンな家のテイストや間取りを徹底解説|7 つのテクニックとは?
近年、流行に左右されずに長く愛せるモダンな家が人気を集めています。しかしモダンな家にはいくつかの種類があり、どうすればモダンな家に近づけるのか知らない人も多いでしょう。
そこでこの記事では、シンプルだからこそ工夫が必要とされるモダンテイストの種類や間取りを解説します。加えてモダンな家を作るための 7 つのテクニックもご紹介しているのでぜひ参考にしてください。
実例を挙げて解説しているため、住宅作りに取り入れたい、モダンな家を実現させるテクニックが見つかるでしょう。
1. 「モダンな家」ってどんな家?
一言に「モダンな家」といってもさまざまな種類があります。ここではモダンな家の代表的なスタイルを 4 つご紹介します。理想とするモダンスタイルがどのような特徴で、どのような雰囲気をもつのかをチェックしてみてください。
1-1. 無駄をそぎ落とした「シンプルモダン」
全体的に無駄なものを置いたり飾ったりせずに、スッキリした造りとインテリアでまとめられた部屋を「シンプルモダン」と表現します。
壁紙はクリームホワイトやライトグレーといった淡い色で統一すると、柔らかくまとまります。またフローリングよりもタイルの床にすると、クールなシンプルモダンに近づくでしょう。建物のラインは丸みを帯びたり余計な装飾をつけたりせず、直線のみを用いて無機質さを演出するのもポイントです。
そしてシンプルモダンな家に近づけるには、配置するインテリアのカラーにも注目しましょう。たとえば全体的に淡いカラーでまとめて、数か所にアクセントとなる濃いカラーを取り入れます。さらにガラスや金属を使った家具を適宜配置すると、ほどよく引き締まった印象になるでしょう。
1-2. 自然素材をふんだんに取り入れた「ナチュラルモダン」
シンプルさをベースにしながら、自然素材の温かさをふんだんに取り入れた家が「ナチュラルモダン」です。ただし自然素材のみでまとめてしまうと、全体的な印象がぼやけてしまいモダンさを引き出せない可能性があります。鉄や金属なども適宜取り入れて、ほどよく引き締めましょう。
また木材同士の組み合わせにも気を配ってみてください。木材によって質感・色味・雰囲気は異なるため、ちぐはぐな組み合わせでは統一感に欠けてしまうためです。木材選びで失敗しないためには、建築家との打ち合わせで妥協しないように心がけましょう。
1-3. 和風とミックスさせた「和モダン」
シンプルでスタイリッシュな印象と和の雰囲気が同居する「和モダン」は、伝統的な日本の空間を現代に合うようにリデザインした近年人気のスタイルです。
たとえば日本の内装を代表する畳。オーソドックスな畳も素敵ですが、正方形になった「半畳畳(はんじょうだたみ)」を取り入れると、よりモダンな印象に仕上がるでしょう。また扉を縦横のラインが美しい「格子戸」に変えるだけでも、和の重厚感とほどよい光の差し込みを堪能できます。
和モダンは、長い日本の歴史で継承してきた機能性や風合いを現代に受け継いだスタイリッシュなデザインです。和モダンなリビングを実現させたい人は、下記の記事もご覧ください。
1-4. 高級感を楽しめる「ラグジュアリーモダン」
高級感のあるホテルライクな空間を楽しみたいなら「ラグジュアリーモダン」がおすすめです。ラグジュアリーモダンな家を作るポイントは華美すぎないこと。シンプルなモノトーンの内装に、上質な家具やインテリアを組み込むイメージで作ると洗練された空間になるでしょう。
また全体的な色味をホワイトやグレーカラーを中心にまとめ、アクセントに大理石の床や、天井まで届く大きな窓を取り入れると高級感を演出できます。さらにシャンデリアやデザイナーズ家具を配置すれば、ワンランク上のラグジュアリーな雰囲気となるでしょう。
2. モダンな家と相性抜群の間取り 3 つ
ここからはモダンな家と相性のいい間取りを 3 つご紹介します。デザイン性のみならず機能性もこだわった間取りは、長く暮らすために重要なポイントとなります。各間取りがもたらすメリットも解説しているため、モダンな家作りの参考にしてみてください。
2-1. 【吹き抜け】開放的な空間に仕上がる
明るく開放的なリビングを作る「吹き抜け」は、モダンな家にピッタリの間取りです。
吹き抜けがあることで上から降り注ぐ柔らかな光を楽しめるため、モダンテイストの定番カラーであるブラックを基調とした部屋でも暗さを感じません。さらに吹き抜けは 2 階とのつながりが強く、家族の存在を近くに感じられます。
さらにモダンな家を演出するならば、吹き抜け全体のラインは直線的に作り、廊下の柵は鉄骨を使って空間を引き締めてメリハリをつけましょう。風通しのいい空間は、まさに現代を代表するモダンテイストといえます。
2-2. 【リビング階段】空間を広く見せてくれる
近年採用されるケースが多い「リビング階段」は、吹き抜けの間取りとも相性が良く、モダンテイストの住宅によく馴染みます。通常なら家の通路側に配置されがちな階段ですが、あえてリビングに設計することで目を見張る主役級の存在感を発揮するでしょう。
2-3. 【オープンキッチン】家族と会話しながら料理できる
家族の様子を見ながら料理を楽しめる「オープンキッチン」も、モダンな家にぜひ取り入れたい相性のいい間取りです。キッチンとリビング、そして庭を一直線に配置すると、庭で遊ぶ子どもたちを眺めながら料理を楽しめます。
また料理をする人が孤独を感じにくい点もオープンキッチンの魅力です。広いリビングを見渡し、家族との一体感や開放感を味わいながら家族のために料理ができるでしょう。
オープンキッチンについては下記の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
3. モダンな家を実現させる 7 つのテクニック
ここからはモダンな家を実現させる 7 つのテクニックを具体的に解説していきます。ここでご紹介するテクニックを取り入れると、理想のモダンの家にグッと近づけるでしょう。
3-1. モノトーンなど、色使いに統一感をもたせる
内装に使用する色味は統一感をもたせましょう。基本的にホワイト・ブラック・グレーといったモノトーンを用いた壁紙や床材にすると、簡単にモダンな印象を作れます。またベースをモノトーンにして、組み合わせる家具やインテリアにアクセントとなる好きな色味を追加すれば、華やかさをプラスすることもできます。
たとえばベースとなるモノトーンカラーを 2 色以内にまとめて、アクセントカラー 1 色を合わせた合計 3 色に統一すると、おしゃれでスッキリした印象になるでしょう。
3-2. 直線的なラインを使ってスッキリ見せる
モダンなテイストに欠かせない、直線的なラインを各所に取り入れましょう。流行に左右されにくい直線を用いることで、飽きずに長く暮らせるモダンな家に仕上がります。
また直線的なラインを多く取り入れてシンプルにまとめた内装は、さまざまな形のインテリアや家具とも組み合わせやすく、コーディネートの幅が広がります。将来的に部屋の印象を変更したいと思ったときや、家族それぞれの好みに合わせた空間にしたいときにアレンジしやすくなるため覚えておきましょう。
3-3. 変化をつけたい場合にはアクセントウォールを取り入れる
モダンを意識してシンプルすぎる空間となってしまうと、物足りなさを感じる人もいます。そのような場合は、壁の一部に「アクセントウォール」を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
壁紙のカラーを部分的に変えるだけで、さりげない変化がつきスタイリッシュな印象となります。一方で壁紙の色味を変えるのではなく、部分的にレンガやタイル、ウッドパネルなどを取り入れると、雰囲気をガラッと変えて大きなインパクトを与えてくれるでしょう。
アクセントウォールは選ぶデザインによって、部屋を広く見せたり明るく見せたりする効果があります。高級な家具やインテリアを置かずとも上質な室内を演出してくれるため、シンプル過ぎないモダンな家にぜひ取り入れたいテクニックです。
3-4. 廻り縁や巾木を工夫する
天井と壁の境界に取り付ける「廻り縁(まわりぶち)」や、床と壁の境界に取り付ける「巾木(はばき)」を工夫するとモダンな家に近づくでしょう。廻り縁と巾木は、壁材と天井・床のつなぎ目をキレイに見せる大切な役割があります。
しかし廻り縁や巾木の主張が強いと、古風な印象になってしまうため注意が必要です。廻り縁や巾木は、天井や床、壁紙などと色味を統一し、すべてが一続きの広い空間となるように印象付けるとモダンテイストを実現できます。
また、あえて廻り縁や巾木を設けずにスッキリとしたデザインにするケースもあります。ただし巾木をなくすのにはメリットもデメリットもあるため、建築家と相談しながら決めていきましょう。
3-5. ダウンライトや間接照明でおしゃれ感をプラスする
照明にもこだわれば、ワンランク格上げされたモダンな空間を楽しめるでしょう。たとえば天井に埋め込む照明の「ダウンライト」は、天井をフラットにして空間を広く見せる効果があります。照明を目立たせないことでシンプルで落ち着きのある雰囲気作りが可能です。
また直接光源が目に入らない「間接照明」を取り入れて、柔らかい光でリビングを包み込むように照らしてもモダンな部屋を楽しめます。
天井に設置するライトとしてよく見かけるシーリングライトは、機能性や汎用性が高く人気の照明ですが、カジュアルな印象に偏りがちです。モダンな住宅を建てたい場合には、ダウンライトや間接照明を使っておしゃれさを格上げしていきましょう。
3-6. 天井の高い平屋で軽快さを表現する
若い年齢層を中心に人気上昇中の平屋は、天井を高くして軽快さを表現するのもおすすめです。吹き抜けのような圧倒的な開放感を味わいながら暮らしを楽しめます。
平屋の天井を高くするには、天井が傾斜している「勾配天井(こうばいてんじょう)」にするのが一般的です。勾配天井を利用すれば、ロフトを設けたり高い位置に窓を取り付けられたりとさまざまな工夫を施せます。
階段がなく家事動線が効率的な平屋に、開放感を演出できる勾配天井を組み合わせることで、老後まで長く住みたくなるモダンな家になるでしょう。
勾配天井については下記の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
3-7. 外観は無機質なテイストをメインにする
外観にもこだわって、無機質なテイストをメインにするとモダンな家に近づくでしょう。三角屋根に瓦などを使った従来の「家らしい」家よりも、いい意味で「家らしくない」デザインを意識すると、道行く人が目を止めるおしゃれな外観になります。
たとえば直線的でシンプルな構造にしたりコンクリート打ちっぱなしのデザインにしたりと、無機質さを表現してみましょう。無駄なくシンプルに仕上げた外観は、まるでアート建築のようにスタイリッシュな佇まいを感じさせます。
4. 【画像あり】洗練されたモダンな家の実例 9 選
最後に、デザインのプロである建築家が考案したモダンな家の実例を 9 つ厳選してご紹介します。
自分の希望や条件に合ったモダンな家をデザインしてくれる建築家と話がしてみたい・紹介してみてほしいという方は、タイテルの建築家紹介 も便利です。
4-1. 住宅の顔となる「外観」編
まずは住宅の顔ともいえる「外観」の実例を 4 つみていきましょう。モダンでスタイリッシュな外観を目指している場合にはぜひ参考にしてください。
4-1-1. 直線的なラインをふんだんに用いた住宅
モダンな家の特徴ともいえる直線的なラインをふんだんに活用したこちらの住宅。外壁にはグレーの塗り壁を採用し、無機質な印象のなかにも温かさを感じられるビジュアルを目指しています。
また柱や窓周りには木目が美しい無垢材を使用しており、ナチュラルモダンな外観を実現させている点も魅力です。
塗り壁については下記の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
4-1-2. ドライなコンクリートを外壁一面に採用した住宅
こちらの住宅は特殊で、 1 階が店舗、 2 〜 4 階が個人の住居となっています。建物全体にドライな印象を与えるコンクリートを採用することで、無機質でスタイリッシュな外観を実現しました。
また建物の内部もモダンな雰囲気でまとめています。階数が多い建物の構造を活かして、大きく吹き抜けにしたり屋上にテラスを設けたりして、内と外のつながりを強くしている点も特徴です。
4-1-3. 外も内も真っ白に統一したシンプルモダンな家
大きな豆腐が出現したかのような佇まいが印象的なこちらの住宅では、外壁も内側の壁もすべて真っ白に統一しています。使用する色の数を少なくしてシンプルさを重視すれば、モダンな印象も際立つからです。
外壁は職人の腕が光る塗り壁。無駄な装飾も一切なく、スッキリとした雰囲気の外観となりました。
4-1-4. 機械的な印象を与えるガルバリウム鋼板の家
こちらの住宅では、光沢感のあるメタリックなガルバリウム鋼板を外壁に採用し、スタイリッシュな印象を引き立たせました。
とはいえホッと安心できるような温かみのある住宅にもなるように、建物を支える太い柱の部分などは、シックなブラウンが目を引く無垢材を使用しています。異素材のバランスが非常に美しい外観となりました。
ガルバリウム鋼板については下記の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
4-2. 暮らしを左右する「内装」編
次にご紹介するのは、モダンな雰囲気を堪能できる住宅の内装事例です。シンプルでスッキリとした暮らしを求めている人はぜひ参考にしてください。
4-2-1. むき出しのコンクリートと淡い木材がマッチしたリビング
あえてむき出しにしたコンクリートの天井に、壁や棚などは淡い色合いが魅力の無垢材を組み合わせた、落ち着きのあるリビングです。
テレビやスピーカー、観葉植物などを目線の低い場所に配置することで、天井との距離を取って広々とした空間に見せています。
4-2-2. 小上がりにしたリビングが特徴的なナチュラルモダンの内装
外壁は木板をメインとしており「木箱」と名付けられたこちらの住宅は、室内にも木材を至る所に採用してナチュラルモダンな内装を実現しています。キッチンからつながっているダイニングの先には、小上がりのリビングが設けられている点がポイントです。
また床材とテーブルの色合いや木目の具合を合わせることで、全体的な統一感を楽しめるでしょう。
4-2-3. 大きな窓から差し込む光が魅力のリビング
2 階リビングの構造となっているこちらの住宅。テレビに向かって右側には大きな窓が並んでいたり、天井に近い壁部分には長方形のはめ殺し窓がついていたりと、採光性の高いデザインが魅力です。
全体的にスッキリとしたモダンスタイルを叶えるために、リビングの照明はダウンライトを採用しています。
4-2-4. 建築家がトータルコーディネートしたモダンな家
埼玉県大宮市に建てられたこちらの邸宅は、新しいモダンスタイルを追求した建築家が、お客さまとの念入りな打ち合わせのもとトータルコーディネートした実例です。
照明をスッキリさせるためにダウンライトや間接照明を採用し、部屋全体をシックなカラーで統一しています。高級感のあるモダンさと住みやすさを両立している点はまさにプロのなせる技といえるでしょう。
4-2-5. ナチュラルとシンプルを組み合わせたモダンスタイル
壁や天井、ソファ、ペンダントライトなどで白を強調しているこちらの内装は清潔感があります。その一方で無垢材を使用した床やテレビボード、パーティション、ダイニングテーブルなどでナチュラルな雰囲気もプラスしたモダンスタイルの住宅です。
また照明は存在感を抑えられるダウンライトですが、ダイニングテーブルの上にはペンダントライトを設置して空間のアクセントにしています。
5. まとめ
一般的に注文住宅を建てるときにはハウスメーカーを選んでしまう人も多いですが、こだわり抜いた住宅を建てたいなら建築家や設計事務所をおすすめします。デザインや実現できる技法の幅が広く、細部にまでこだわってマイホームを建てられるからです。
加えて建築から家具選びまでのトータルコーディネートをしてもらえます。「モダンな室内にはどんな家具が合うの?」と悩まずに理想とする空間を実現できるでしょう。
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