「有名建築家」とは?建築家に設計を頼むときのポイント
有名建築家に設計を依頼したいと考えている方必見!日本を代表する有名建築家5人と、建築家に住宅や建物の設計を依頼するときのポイントをご紹介します。
建築家の作品事例も数多く掲載しています。自分のこだわりと照らし合わせて、ぜひ参考にしてください。
まず、この記事のポイントはこちらです。
- 「有名建築家」とは、何を基準とするかによって解釈が異なるので、一概に定義できない
- 有名建築家に設計を頼むには、「何を重要視するか」という自分のこだわりから建築家を探すことが大切
- 有名建築家に設計を頼むのが難しいときには、有名な建築家のもとで経験を積んで独立した比較的若手の建築家に頼むという選択肢もある
1. 「有名建築家」とは?
「有名建築家」と一言に言っても、様々な尺度があります。
多くの建築を設計している、有名な建物を設計している、斬新な形の建物をつくっている、海外でも活躍している、賞をたくさん受賞している、住宅設計が得意で有名など、多様な評価ポイントがあります。
また建築業界内で名が知られている人もいれば、業界外で有名になった人もいます。 日本には、国内あるいは世界で活躍している建築家がたくさんいますが、一概に「有名」という括り方をしてご紹介するのは難しいのです。
2. 亡くなった有名な日本人建築家 5 選
ここでは、すでに亡くなっていますが、今の建築業界に影響を残した日本人建築家を5名ご紹介いたします。
1 人目は、黒川紀章です。
惜しまれながら解体が決まった、銀座の「中銀カプセルタワービル」が有名です。
人口の変化や社会の成長に合わせて、その都度ユニットを更新していく「メタボリズム」という考え方に基づき、有機的に成長する都市や建築を提案していました。
2 人目は、丹下健三です。
国立代々木競技場体育館や東京カテドラル聖マリア大聖堂などが有名です。
第二次世界大戦復興後から高度経済成長期にかけて、多くの国家プロジェクトを手がけ、「世界のタンゲ」と呼ばれました。日本人建築家として最も早く日本国外でも活躍し、認知された一人です。
3 人目は、前川國男です。
ル・コルビジェやアントニ・レーモンドの元で勉強し、モダニズム建築を広め、戦後日本建築界をリードしました。
木造でつくられた日本のモダニズム建築といえる前川國男の自邸は、江戸東京たてもの園でみることができます。
4 人目は、谷口吉郎です。
日本の近代を代表する建築家で、息子の谷口吉生と共に有名です。
東京国立近代美術館や東京国立博物館東洋館などが代表作で、休日のお出かけにもおすすめです。
5 人目は、篠原一男です。
住宅作品で世界的に有名になった数少ない建築家の一人です。1970年代の建築業界を牽引し、白の家、から傘の家、上原通りの住宅など多くの名作を設計しています。
ここでは代表的な 5 名を紹介しましたが、時代背景によっても評価される作品が変わることが多く、また晩年や死後になって評価されるというケースも非常に多いのです。
3. 有名建築家に設計を依頼するときのポイント
有名な建築家に設計を依頼したいけれど、どうやって建築家を探せばいいか分からない、どうやってコンタクトをとればいいか分からない、そもそも自分でも建築家に依頼できるのか?など疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。そこで、有名建築家に設計を依頼するときのポイントをご紹介いたします。
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3-1. なにを重要視するかがポイント
建築家への設計依頼は、自分が何を重要視するか、どのようなところにこだわりたいかがポイントです。
依頼者にもきっと好みやこだわりがありますよね。デザインに惹かれる建築を設計している建築家を直観的に選ぶのも一つの方法ですが、「自分の求める家や建物を実現するには、どのようなポイントに気をつければ良いか」を知るだけで、自分にぴったりの建築家を探す近道になります。
3-2. こだわり別!建築家の探し方
ここからは、代表的な 6 つのこだわりをピックアップして、それぞれのこだわり毎に建築家を探す時のポイントをご紹介していきます。事例と併せてご覧ください。
3-2-1. ハイクラスな家や高級な邸宅を建てたい
ハイクラスな邸宅を建てたいと考えている人は、その分野でたくさん経験のある方にお願いするのがおすすめです。
特に「空間の広がり」「素材使い」「照明計画」「細部のデザイン」にこだわって設計する建築家に注目してみると良いでしょう。
広々としたLDKが印象的なこの邸宅。タイルや石、レンガ、木材など高級感のある素材がバランス良く配置されており、落ち着いたトーンにまとまっています。エアコンを木製のルーバーで隠すなど、細部にもこだわりが詰まっています。
こちらは、モダンな旅館を彷彿とさせる住宅の事例です。天然木をたくさん用いつつ、大谷石の壁が空間を引き締めています。
この家は、ほとんど間接照明しかないというのも特徴です。障子から柔らかく入る光や天窓からの光など、光の移ろいまでデザインすることで凛とした雰囲気を生み出しています。
3-2-2. アート性を重要視したい
建築がもつアート的な側面を重要視したいという人は、芸術的な経歴や実績をもった建築家に依頼するのがおすすめです。従来の型にはまらない独特なセンスで、まるで美術館にいるかのような特別感のある空間を生み出してくれるでしょう。
建築家のホームページや書籍には、その人の価値観や作品の世界観がよく現れていることが多いので、作品だけでなく全体のブランディングもチェックしてみましょう。
この家の中心となるのは、ダイナミックな螺旋階段。まるで生きているかのように建物の外から中へ入り込み、内部をぐるりと巡って屋上まで抜けていきます。
モルタルで仕上げた床によっても生活感が軽減され、ショップに訪れたかのような印象を与えています。
美大卒の建築家が手がけたこちらの事例。決して華美ではありませんが、ギャラリーのような静閑な空気をまとっています。シンプルだからこそ、建築家の丁寧なデザインが光ります。
ソファやテレビボードなどの家具もオリジナルで造作し、コンセプトや世界観を損なわないようにデザインしています。
3-2-3. 家族みんなが生活しやすい家にしたい
生活や暮らしに重きを置いていている人には、丁寧なヒアリングを行いながら設計を進めてくれる建築家がぴったりです。子育て経験のある女性建築家や、夫婦でユニットを組んでいる建築家などは、実生活を元にさまざまな暮らしのアイディアを提案してくれますし、暮らし方からオリジナルの間取りを考えてくれます。
特にコミュニケーションの相性については会ってみないと分からないので、まずは直接話をしてみることをおすすめします。
料理店を営み、人をもてなすことが大好きなご家族のために作られた、「食卓とキッチンを囲む家」です。家の中心に最大10人が座れるダイニングを配置し、その周りにリビングや水回り、中庭を設けています。
廊下には、子供の成長に合わせて高さを変えられる雲梯(うんてい)があるなど、楽しい仕掛けも散りばめられています。
1.55m という狭い幅で建てられたこちらの木造住宅。幅が狭いことによる親密さと、縦方向に広がる開放感のバランスが、家族の心地よい距離感をつくっています。
また 3 人の子供部屋は部屋として確立せず、段差で区切られたそれぞれの就寝空間と共用の勉強スペースを設けることで、限られた空間を有効活用しています。
3-2-4. リノベーションに興味がある
リノベーションは、新築の設計とは少し違うポイントがあるので、経験のある建築家に頼むのがおすすめです。
最近は既存の建物を活かしてリノベーションするという選択肢も増えています。誰も住んでいない実家を改装したい、気に入っているビンテージマンションがある、古民家や町家に住んでみたい、という人はリノベーションの実作を多く持つ建築家に相談してみてはいかがですか。
町家をリノベーションしたこちらの事例。歴史ある古い柱が重厚感を醸しつつ、モダンなインテリアが加わることで端正な空間になっています。 新旧の素材のバランス感も絶妙で、まさに建築家の為せる技です。
3-2-5. 仕事場を住宅に併設したい
コロナ禍で自宅での仕事が増えたことをきっかけに、暮らし方を見直した方も多いのではないでしょうか。間取りのアイディアが豊富な建築家に相談すれば、「働く場所」と「くつろぐ場所」をうまく切り替えられるようなプランや、家事をしながら仕事ができるプランなど、あなたにぴったりの間取りを提案してくれるでしょう。
こちらの事務所兼住宅は、素材の切り替えによって空間の 2 面性をつくっています。事務所部分はコンクリートの構造体をあらわしにし、無機質でクールな空間としました。一方で居住スペースには木を使い、温かみのある空間にしました。
間取りや素材の工夫次第で、ワンルーム空間でも on / off の切り替えをすることができます。
地域に根ざした美容院を営む奥さまと、執筆活動を行う旦那さまのための仕事場兼住宅です。 1 階はまちに対して開いた設計とし、 2 階をプライベートな空間としています。 2 階は普段はオープンな空間として使っていますが、執筆活動に集中したい時などには、必要に応じて建具で仕切れるような設計としました。
3-2-6. 別荘を建てたい
別荘の設計を依頼するなら、ロケーションを活かした設計を得意とする建築家に頼むのがおすすめです。敷地の高低差や周囲の景観、自然との調和、地域の文化や材料まで検討して、唯一無二の別荘をつくってくれることでしょう。
国立公園内にあるこちらの別荘。眺望を活かすために、 1 階部分を柱で持ち上げ、空に浮かぶ平家として計画しました。
芦ノ湖から駿河湾、そして富士山が一望できるパノラマビューをどの部屋からも楽しむことができます。
こちらは湖のほとりに建つ週末住宅です。緑を守るために木は伐採せず、森の中に溶け込むような小さな家となりました。
豪雪地帯のため、湿気や積雪の対策も考えて設計されています。
4. 有名建築家のもとで経験を積んだ若手の建築家に依頼する
今は名が知られていなくても、これから有名になっていくであろう建築家に依頼するのも新鮮で楽しい経験になるでしょう。
有名な建築家ともなれば、案件をたくさん抱えていて忙しくしている人も多く、新しい案件を受ける余裕がない人もいるかもしれません。そんな時には、有名建築家から独立した比較的若い建築家に頼むのもひとつの手です。有名建築家のノウハウを活かしながら、丁寧に時間をかけてあなたにぴったりの家を設計してくれることでしょう。
5. まとめ
有名建築家に設計を依頼するときのポイントをいくつかご紹介しました。「自分のこだわりは何か」「どんな暮らしをしたいのか」という要望をまずは整理した上で、建築家を探すことが大切です。
titel(タイテル)ではあなたのこだわりや希望をもとに、ぴったりの建築家をご紹介 します。「自分にぴったりの建築家を探したい」「建築家の選び方がわからない」「そもそも建築家に頼んだ方が良いのかどうかを検討したい」など、それぞれのケースに合わせてご相談に乗りますので、まずはお気軽に titel(タイテル)までご相談 ください。