【実例 7 選】ラスティックとは?素材感を楽しむ部屋の作り方も紹介

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素朴で温かさのある雰囲気が魅力の「ラスティック」とは、ナチュラルな空間を作りたい人を中心に人気を集めるインテリアスタイルです。

しかしこれから住宅を建てる人のなかには、どうやってラスティックスタイルの室内を作ればいいのか、どうすれば素朴な印象を楽しめるのか悩んでしまう人も少なくありません。

この記事では、素材感を活かしたラスティックスタイルの実例 7 選と作り方をご紹介します。最後まで読み終わるころには、ご自身が望む住宅をイメージできるようになっているでしょう。

<目次>

  1. 1. 素朴な印象が魅力の「ラスティックスタイル」とは?
    1. 1-1. モダンさを融合した「ラスティックモダン」も人気
  2. 2. ラスティックスタイルを用いた実例 7 選
    1. 2-1. 木の自然な形を活かした梁で感じるナチュラルな空間
    2. 2-2. ドライな印象の「コンクリート」×温かみのある「木」を組み合わせた家
    3. 2-3. ラスティック柄が美しい、落ち着きのある住宅
    4. 2-4. コンクリートの梁が雰囲気を引き締めるリビング
    5. 2-5. 美しい木目で自然を全身で感じられる家
    6. 2-6. どこか懐かしさを感じるノスタルジックな家
    7. 2-7. ラスティック柄の床材が目を引く家
  3. 3. ラスティックスタイルの作り方
    1. 3-1. 年月を感じられるラスティックオークの床を取り入れる
    2. 3-2. むき出しの素材を楽しむ
    3. 3-3. 優しいアースカラーで色味を統一する
    4. 3-4. ヴィンテージ感のある家具をチョイスする
    5. 3-5. 既存の部屋の場合は、インテリアなどの小物で工夫する
    6. 3-6. 建築家(設計事務所)にトータルコーディネートを依頼するのもアリ!
  4. 4. まとめ

1. 素朴な印象が魅力の「ラスティックスタイル」とは?

ATELIER minette (旧Bateau-Lavoir バトー・ラヴォワール) (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像 ATELIER minette (旧Bateau-Lavoir バトー・ラヴォワール) (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像 ATELIER minette (旧Bateau-Lavoir バトー・ラヴォワール) (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像
ATELIER minette (旧Bateau-Lavoir バトー・ラヴォワール) 御手洗 龍 | 御手洗龍建築設計事務所

ラスティックスタイルとは、ありのままの素材の風合いや手触りを残して作られたインテリアスタイルです。

そもそもラスティックとは、英語で「飾り気のない」「素朴な」「田舎風な」といった意味を持ちます。たとえば、木材をふんだんに取り入れて自然の中にいるようなナチュラルさを演出したり、打ちっぱなしのコンクリートで洗練された印象を取り入れたりと、素材がもともと持つ雰囲気をそのまま活かした空間作りを指します。

ナチュラルな雰囲気や手作りの風合いが好きな人を中心に、近年注目を集めているスタイルなのです。

1-1. モダンさを融合した「ラスティックモダン」も人気

Apartment, Higashiyama (建築家 : 澤田 航 ・ 橋村 雄一) の作品画像 Apartment, Higashiyama (建築家 : 澤田 航 ・ 橋村 雄一) の作品画像 Apartment, Higashiyama (建築家 : 澤田 航 ・ 橋村 雄一) の作品画像
Apartment, Higashiyama 澤田 航 ・ 橋村 雄一 | Sawada Hashimura

ラスティックと、現代風を意味する「モダン」を掛け合わせた『ラスティックモダン』も人気があるスタイルです。

ラスティックモダンは、味わい深い素材感を残したまま、機能的で住みやすいスタイルを実現した空間を指します。たとえば直線的なラインで構成されたモダンな内装に、ラスティックな木製家具やインテリアを組み合わせると、異なる 2 つのスタイルによるコントラストを楽しめるでしょう。

両者の良さを掛け合わせた独特な雰囲気があるため、モダンだけでは質素すぎる、反対にラスティックだけでは荒々しすぎると不安になる場合におすすめしたいスタイルです。

2. ラスティックスタイルを用いた実例 7 選

次に、ラスティックスタイルを用いた建築実例を 7 つご紹介します。ラスティックを住宅に取り入れたい人はぜひ参考にしてください。

自分の希望や条件に合ったラスティックスタイルの住宅をデザインしてくれる建築家と話がしてみたい・紹介してみてほしいという方は、タイテルの建築家紹介 も便利です。

2-1. 木の自然な形を活かした梁で感じるナチュラルな空間

House of Shiotomido (建築家 : 澤田 航 ・ 橋村 雄一) の作品画像 House of Shiotomido (建築家 : 澤田 航 ・ 橋村 雄一) の作品画像 House of Shiotomido (建築家 : 澤田 航 ・ 橋村 雄一) の作品画像
House of Shiotomido 澤田 航 ・ 橋村 雄一 | Sawada Hashimura

とある住宅街に建てられたこちらの家では、木の自然な形を活かした梁をアクセントに各部屋をデザインしています。ベッドに寝転んだときにナチュラルな梁が目に入り、癒しの時間へと導いてくれるでしょう。

また空間に統一感をプラスするために、扉やクローゼットにも木目調が際立つ素材を用いている点も大きな魅力です。

2-2. ドライな印象の「コンクリート」×温かみのある「木」を組み合わせた家

slash house キッチンから生まれるリノベーション (建築家 : 松尾宗則 ・ 松尾遥) の作品画像 slash house キッチンから生まれるリノベーション (建築家 : 松尾宗則 ・ 松尾遥) の作品画像 slash house キッチンから生まれるリノベーション (建築家 : 松尾宗則 ・ 松尾遥) の作品画像
slash house キッチンから生まれるリノベーション 松尾宗則 ・ 松尾遥 | 株式会社TAIMATSU

こちらは築 50 年の中古マンションをリノベーションした住宅。天井や壁はむき出しのコンクリートを用いてドライな印象になっていますが、床や家具で温かみを感じられる木を組み合わせて落ち着く空間を実現しています。

またキッチンからリビングまでが一続きになっており、部屋全体に連続性がある点も特徴です。家族同士のコミュニケーションも取りやすく、住みやすい家といえるでしょう。

2-3. ラスティック柄が美しい、落ち着きのある住宅

Juraku (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像 Juraku (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像 Juraku (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像
Juraku 御手洗 龍 | 御手洗龍建築設計事務所

東京の物件をリノベーションしたこちらの家では、素材の質感を足下から感じられるラスティック柄の床材を採用しています。壁や天井は優しい色合いのホワイトで統一し、シンプルながらも自然を身近に感じる空間となりました。扉や壁についている小窓でも木枠を用いたりなど、至る所に自然を散りばめています。

2-4. コンクリートの梁が雰囲気を引き締めるリビング

やわらかウォールのある家 (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像 やわらかウォールのある家 (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像 やわらかウォールのある家 (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像
やわらかウォールのある家 御手洗 龍 | 御手洗龍建築設計事務所

集合住宅のなかにあるこちらの家では、優しい木材と無機質なコンクリートをマッチングさせたラスティックな空間を作り上げています。存在感のあるコンクリートの梁は各部屋にメリハリを与えてくれるでしょう。

また各部屋が優しくカーブした独創的な壁で仕切られている点も特徴です。ほかにはない、まさに唯一無二の住宅となっています。

2-5. 美しい木目で自然を全身で感じられる家

軽井沢の家 (建築家 : 松田 仁樹) の作品画像 軽井沢の家 (建築家 : 松田 仁樹) の作品画像 軽井沢の家 (建築家 : 松田 仁樹) の作品画像
軽井沢の家 松田 仁樹 | 松田仁樹建築設計事務所 / Yoshiki Matsuda Architects

床や壁、天井に美しい木目が際立つ木材を使った邸宅です。広々とした空間に、大自然の中にいることを感じさせてくれる大開口。ソファにゆったり腰を掛けて、大きな窓から四季折々の美しいシーンを堪能できます。

2-6. どこか懐かしさを感じるノスタルジックな家

Y and A Place (建築家 : 田畑 洋人) の作品画像 Y and A Place (建築家 : 田畑 洋人) の作品画像 Y and A Place (建築家 : 田畑 洋人) の作品画像
Y and A Place 田畑 洋人 | HIROTO TABATA and ASSOCIATES

キッチンを中心にリノベーションした神奈川県茅ヶ崎市のこちらの家。どこか懐かしさを感じるレトロな印象が魅力です。深みのあるブラウンの木材をベースに、壁にはブルーグリーンの塗り壁を用いて自然素材をふんだんに使用しています。

さらに作業場となる広々としたキッチンカウンターは、木製とコンクリート、シンクは銅で造作しています。ところどころに真鍮を用いて、自然な風合いや経年変化を楽しめる内装となりました。

2-7. ラスティック柄の床材が目を引く家

三国の住宅 (建築家 : 中尾 彰良) の作品画像 三国の住宅 (建築家 : 中尾 彰良) の作品画像 三国の住宅 (建築家 : 中尾 彰良) の作品画像
三国の住宅 中尾 彰良 | 一級建築士事務所 Coo Planning

大阪府にあるこちらの住宅では、家全体の床を写真のようなラスティック柄の床材にしています。どこの部屋に行っても素材の美しさを肌で感じられるでしょう。

またリビングを広くとるために工夫された、キッチンカウンター兼ダイニングテーブルも魅力的。素材やサイズ感などが考え抜かれた建築家オリジナルの家具により、グッと住みやすさが増しています。

キッチンカウンター兼ダイニングテーブルが気になる人は、下記の記事でも詳しくご紹介していますのでぜひあわせてご覧ください。

3. ラスティックスタイルの作り方

ここからは人気のラスティックスタイルの作り方をご紹介します。素材感を活かしたナチュラルな雰囲気の室内に憧れる人は、ぜひ参考にしてみてください。

3-1. 年月を感じられるラスティックオークの床を取り入れる

丘の上ハウス | A house in the middle of a hill (建築家 : 伊原 孝則) の作品画像 丘の上ハウス | A house in the middle of a hill (建築家 : 伊原 孝則) の作品画像 丘の上ハウス | A house in the middle of a hill (建築家 : 伊原 孝則) の作品画像
丘の上ハウス | A house in the middle of a hill 伊原 孝則 | FEDL

木の節や木目がはっきりわかるラスティックオークの床は、長い年月を生きた木の力強さを感じられます。

ラスティックオークの床を取り入れるだけで、木材ならではの力強くも優しい風合いを楽しめます。木材の良さを存分に堪能するためにと、床にはあまり物を置かずにスッキリした室内に仕上げると、よりぬくもり溢れる空間が作れるでしょう。

1 枚 1 枚が違う節や木目によって、通常のフローリングよりもナチュラルな印象を楽しめる床材です。

3-2. むき出しの素材を楽しむ

oNoff (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像 oNoff (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像 oNoff (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像
oNoff 御手洗 龍 | 御手洗龍建築設計事務所

むき出しのコンクリートや梁(はり)を見せたデザインにすると、木材とはまた違った荒々しくも都会的な雰囲気を楽しめます。

コンクリートは写真のようにアクセントとして取り入れても素敵ですし、壁全面に取り入れても洗練された雰囲気を演出できます。また建物を支える梁を見せた天井設計も人気です。あえて荒削りされた梁は、ダイナミックなデザインを楽しみながら、天井に高さが出て開放感を味わえます。

3-3. 優しいアースカラーで色味を統一する

向陽ロッジアハウス | SUNNY LOGGIA HOUSE (建築家 : 金野 千恵) の作品画像 向陽ロッジアハウス | SUNNY LOGGIA HOUSE (建築家 : 金野 千恵) の作品画像 向陽ロッジアハウス | SUNNY LOGGIA HOUSE (建築家 : 金野 千恵) の作品画像
向陽ロッジアハウス | SUNNY LOGGIA HOUSE 金野 千恵 | t e c o

優しいアースカラーは自然を連想させるため、取り入れるだけで簡単にラスティックスタイルを作れます。

アースカラーとは、自然物をイメージしたベージュ・ブラウン・カーキ・モスグリーンなどの柔らかい色味のことです。床や壁などの内装をはじめ、配置する家具やインテリアの色味もアースカラーを意識して統一させるとラスティックスタイルに近づけます。

まるで自然の中にいるような落ち着きのある心地よい空間を作れるでしょう。

3-4. ヴィンテージ感のある家具をチョイスする

空掘の家 (建築家 : 中尾 彰良) の作品画像 空掘の家 (建築家 : 中尾 彰良) の作品画像 空掘の家 (建築家 : 中尾 彰良) の作品画像
空掘の家 中尾 彰良 | 一級建築士事務所 Coo Planning

ヴィンテージ感のある家具は、ラスティックスタイルを作り上げたいときにピッタリです。

ヴィンテージと聞くと「古い」印象を持つ人もいるかもしれません。しかしただ古いのではなく、丁寧に長く使い込まれたことにより独特の風合いを作り出す製品がヴィンテージと呼ばれるのです。

どこか懐かしい雰囲気を作り出すヴィンテージ感のある家具を配置して、ほかにはないオリジナルの空間を作りましょう。

3-5. 既存の部屋の場合は、インテリアなどの小物で工夫する

Stir (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像 Stir (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像 Stir (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像
Stir 御手洗 龍 | 御手洗龍建築設計事務所

すでに家を建てている場合や賃貸の場合は、小物やインテリアでラスティックスタイルを作りましょう。

床や壁などをラスティックスタイルにするのが難しい場合は、木材を使った棚や机、イスを配置したり、リネン素材のカーテンなどで自然な風合いを楽しんだりしてみてはいかがでしょうか。たとえ現在の内装がラスティックではなかったとしても、小物やインテリアとの組み合わせによって異なるスタイルとのコントラストを楽しめます。

どのようなスタイルにも馴染みやすいラスティックスタイルだからこそ、気軽に試せるのが魅力です。

3-6. 建築家(設計事務所)にトータルコーディネートを依頼するのもアリ!

Rib (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像 Rib (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像 Rib (建築家 : 御手洗 龍) の作品画像
Rib 御手洗 龍 | 御手洗龍建築設計事務所

ラスティックスタイルの作り方に迷ったら、建築家(設計事務所)にトータルコーディネートを依頼するのも一つの手段です。

プロの建築家は依頼主の要望を細かく汲み取り、希望に合わせてコーディネートを組みます。また建築材料の良さや特徴を知り尽くしており、素材の魅力を引き出した空間作りが可能です。さらに雰囲気に合う造作家具の依頼もできるため、より統一感のあるおしゃれなコーディネートをしてもらえるでしょう。

どのような家具やインテリアを合わせればいいのか迷ったら、プロの建築家(設計事務所)にトータルコーディネートを依頼 してみてください。

4. まとめ

この記事では、素朴で優しいラスティックスタイルの実例 7 選と作り方をご紹介しました。素材の良さを活かしたナチュラルな雰囲気は、どこか懐かしさを覚えるような独特な魅力があります。

実際にラスティックスタイルを取り入れるなら、素材の特徴を知り尽くした建築家にトータルコーディネートを依頼することも可能です。プロならではの知識と経験を活かして、理想の住宅を作り上げましょう。

タイテルでは、一級建築士の資格をもつ建築アドバイザー無料相談 を受け付けていたり、ご要望を伺ってぴったりの建築家・設計事務所をご紹介 しています。