おしゃれな平屋 9 選|外観を失敗しないコツとは?
メディアや雑誌などでも取り上げられるほど人気上昇中の平屋住宅。誰もがうらやむような外観の平屋に憧れる人も多いのではないでしょうか。
しかし平屋の外観をおしゃれに仕上げるのは、そう簡単なことではありません。理想の出来上がりにするには、平屋ならではの特徴を活かしつつ失敗しないコツを抑えた建築が必要です。
この記事では、実例写真でおしゃれな平屋の外観をご紹介するとともに、平屋の外観作りで失敗しない 7 つのコツを解説します。最後まで読み終える頃には、満足できる平屋の外観が具体的にイメージできるようになるでしょう。
1. 【実例集】おしゃれな平屋の外観 9 選
はじめに、道行く人が見惚れるおしゃれな平屋の実例を 9 つ集めましたのでご紹介します。
1-1. ナチュラルな印象のある羽目板を惜しみなく使った平屋
茨城県牛久に建てられたこちらの住宅は、ナチュラルな印象を周囲に与える外観となっています。美しい木目が際立つ羽目板を惜しみなく使い、庭には眺めているだけで癒やされる芝生や庭木を植えることで心安まる家を実現。
内装にもふんだんに羽目板を採用しているため、家の内側も落ち着きのある空間になっています。
1-2. 自然の中に佇む美術館のような平屋
神奈川県三浦郡に建つこちらの平屋は、どの角度から見てもすべてがパキッとしたホワイトカラーで統一されている点が特徴です。まるで美術館のような外観からは、洗練された美しさが漂います。さらに周囲の自然環境と調和し、住宅がより存在感を放っています。
1-3. ホワイト×ナチュラルで可愛い平屋
大きく片流れ屋根になっているこちらの平屋は、柔らかいホワイトカラーで外壁をまとめ、要所要所でナチュラルな素材を取り入れています。庭木や芝生とよく馴染む、可愛らしい外観です。
また広い土地に建てられているため採光性を確保しやすく、家の中も明るく過ごしやすい空間となっています。
1-4. アウトドア気分を味わえるシェルハウス
建物の一面を大きな窓で構成しているこちらの住宅は、独創的なフォルムが目を引く平屋です。内装の天井や壁にはガルバリウム鋼板を採用し、クールな印象をかもし出しています。
広い庭とも連続性があり、ちょっとしたアウトドア気分で庭を活用できる点も大きな魅力です。
1-5. 十字型が特徴的な黒い平屋
リタイア後のご夫婦が住まうこちらの家は、空から見ると十字型になっている不思議な平屋です。スタイリッシュさとナチュラルさを組み合わせるために、外壁には黒い羽目板を採用。
またご夫婦でお茶を楽しむときに眺める「和の庭」と、お孫さんたちが遊びに来たときに楽しめる「洋の庭」がほしいとの希望がありましたが、建築家の腕によりしっかりと実現しています。
1-6. 森に浮かぶシンプルなセカンドハウス
こちらはウィンタースポーツを楽しむご夫婦のために建てられたシンプルなセカンドハウスです。敷地の高低差を活かして車庫も設計しています。構造は長方形のワンルームですが、森と家をつないでくれるバルコニーもあり、建物内にいながらも外の新鮮な空気を堪能できます。
1-7. T 字に構成されたグレーのおしゃれな平屋
光沢感のあるグレーの外壁が印象的なこちらの平屋。玄関ドアの縁はあえて差し色になるように赤にすることで、遊び心もプラスしています。また部分的に片流れ屋根を採用しロフトを設けたため、子ども部屋同士を緩やかにつなげて、家族同士の絆を深めています。
1-8. 高級感漂う平屋の別荘
こちらは千葉県に建てられた平屋の別荘です。広い敷地に建てられているため、採光性や風通しも良く快適に過ごせるでしょう。
また樹木や芝生の緑を楽しめる庭もあり、ゆったりと屋外用チェアに腰掛けながらリラックスタイムを堪能できます。
1-9. 和モダンを感じさせる瓦屋根が美しい平屋住宅
こちらの住宅は耐久性に優れている瓦屋根を採用した和モダン住宅です。和を感じさせるのは瓦だけではありません。玄関アプローチに並べられた長方形の飛び石や、鳥居のような玄関デザイン。
そこにモダンさをプラスするために、外壁はあえて雰囲気を引き締めてくれるブラックカラーで統一しています。
自分の希望や条件に合ったおしゃれな平屋をデザインしてくれる建築家と話がしてみたい・紹介してみてほしいという方は、タイテルの建築家紹介 も便利です。
2. 平屋のおしゃれな外観で失敗しないためのコツ 7 つ
ここからはおしゃれな平屋の外観作りで失敗しないためのコツ 7 選をご紹介します。
人気上昇中とはいえ、まだまだ着工数の少ない平屋住宅は、ただそこに佇むだけでも目を引く存在です。ふと目を向けたときに残念に思われてしまうような外観は避けたいところ。
暮らしやすい住環境でありながら、誰もがうらやむおしゃれな外観に仕上げたい人はぜひ参考にしてみてください。
2-1. コツ①:屋根の形にこだわろう
まずは屋根の形にこだわりましょう。必然的に屋根の存在感が大きくなる平屋は、屋根の形にこだわり抜くと簡単におしゃれな平屋の外観を作れます。
平屋は 1 階にすべての居住空間が集中し、 2 階建て住宅に比べて視覚的な位置も低くなります。そのため外から見たときに屋根は視界に入りやすく存在感が大きいことから、平屋の外観イメージを左右する重要なポイントとなるのです。
そこで、おしゃれな外観を作る屋根の形を 4 種類ご紹介します。それぞれ雰囲気が異なるため、理想の平屋作りの参考にしてみてください。
2-1-1. スタンダードな「切妻」
多くの人に親しまれているスタンダードな三角屋根の形を「切妻(きりづま)」と呼びます。現在日本にある多くの住宅で取り入れられているだけあり、機能性に優れた屋根です。
切妻には、以下のようなメリットがあります。
- 屋根に雨が溜まらず流れやすいため、雨漏りのリスクが少ない
- 三角屋根の内部は天井が高いため、室内の空間を広く見せてくれる
- スタンダードな形のため、新築時やメンテナンス時の費用が安く済む
雨漏りのリスクを抑えて機能性を重視したい場合や、屋根以外の外観に予算を使いたい場合は、スタンダードな切妻を検討しましょう。
2-1-2. シンプルの王道「陸屋根」
シンプルさを極めた印象にするなら、勾配のない「陸屋根(ろくやね)」を取り入れましょう。
構造によっては屋上としても利用可能な陸屋根は、アウトドアリビングにしたり家庭菜園を始めたりとさまざまな使い方ができます。敷地面積の問題で庭が狭い場合にもおすすめです。
スタイリッシュでおしゃれな印象がある一方、屋根に傾きがなく雨を流しにくいために雨漏りリスクの高い点がデメリットといえます。陸屋根を取り入れるなら徹底した防水処理を施したうえで、定期的なメンテナンスで機能性を保ちましょう。
2-1-3. ダイナミックな印象の「片流れ屋根」
屋根の一面のみが傾斜している「片流れ屋根」は、個性のあるダイナミックな存在感が特徴です。
屋根が大きく傾斜している独特な形により、室内にロフトを設けたり通常よりも多くの太陽光パネルを設置できたりといったメリットがあります。一方で、屋根のない面の外壁は紫外線や雨風が直接当たり、経年による劣化が早まるリスクもあります。
片流れ屋根を取り入れる際には、日当たりなどを含めて計算した間取り設計が重要となるでしょう。
2-1-4. 落ち着きのある「寄棟」
「寄棟(よせむね)」は、 4 つの屋根面が各方向に向いて流れる形状で、歴史も長く落ち着いた印象を感じられるでしょう。
4 方向に屋根が傾斜しているため、雨風や紫外線から住宅を守り、長持ちさせてくれます。また落ち着いた印象の外観から、日本の伝統を取り入れた和モダンテイストの平屋とも相性が抜群です。
一方で、ほかの形の屋根と比較して屋根裏が低くなってしまうところは難点です。屋根裏に収納やロフトを設けたい場合には設計に注意しましょう。
2-2. コツ②:希望のイメージに合わせて素材やカラーを選ぼう
2 つ目のコツは、希望する完成イメージに合わせて使用する素材やカラーを選ぶことです。カラーの系統をまとめれば統一感のあるおしゃれな外観も実現できます。
たとえばクールで落ち着いた印象を作るなら黒やグレーのカラーを中心に、素材はサイディングやガルバリウム鋼板を用いるとスタイリッシュにまとまります。また、可愛らしさやおしゃれ感を強めたいなら白やアイボリーカラーを中心に、外壁には意匠性の高い塗り壁を取り入れるのがおすすめです。
カラーと素材の組み合わせは、外観の印象を大きく左右します。失敗しない組み合わせにするなら、建築家との綿密な打ち合わせやシミュレーションを行い、希望のイメージをしっかりと伝えましょう。
2-3. コツ③:窓の大きさや数のバランスを考えよう
平屋の外観をおしゃれにする 3 つ目のコツは、存在感が大きい窓のサイズや数のバランスを考慮すること。
開放感を味わえる大きい窓に魅力を感じる人は多いでしょう。しかし窓が大きすぎると、外からの視線が気になったり日光を集めすぎたりと、快適な暮らしが実現しにくくなる場合もあります。とくに平屋は居住スペースが 1 階に集中しているため、開放感とプライバシーのバランスは丁寧に考える必要があるでしょう。
窓の設置バランスは建築家と深く打合せして、おしゃれさと快適な住環境が両立した素敵な平屋を作りましょう。
2-4. コツ④:おしゃれの定番であるウッドデッキやテラスを設けよう
室内と外をつなぐ空間にウッドデッキやテラスを設ける のも、思わず目を止めるおしゃれな平屋を作るコツです。
リビングとの連続性が出るウッドデッキやテラスは居住空間が広がり、視覚的にも気持ち的にも広々とした開放感を堪能できます。さらに屋根やオーニングなどをつけると、日差しが強いときや雨が降っているときでも活用できて用途も広がるでしょう。
ただし、自然が多すぎる場所だと虫や鳥が寄ってきて使いにくくなってしまうため、周辺の環境によっては注意が必要です。
2-5. コツ⑤:採光や風通しは十分かを設計段階で確認しよう
失敗のない平屋をつくるためには、採光や風通しは十分なのかを設計段階で確認しておきましょう。平屋はほかの住宅と比較して建物の高さがないため、採光や風通しを確保しにくい場合があります。
たとえば周囲に高い建物が建築予定またはすでに建っている場合には、天窓をつけたり中庭を設計したりと工夫してもらいましょう。またこれから土地を選ぶなら、郊外など周辺住宅との間隔が十分にとれる広い場所に建てることも検討しましょう。採光性も風通しも確保しやすく、快適な住環境に近づきます。
また採光や風通しは、ついついリビングばかり気にしてしまいがちです。しかしワンフロアで完結する平屋は、すべての間取りが異なる方向を向いている場合も多いため、寝室や水回りといった各部屋の採光性や風通しも確認しておくと、暮らしやすい住宅作りができるでしょう。
2-6. コツ⑥:プライバシー保護に配慮した設計にしてもらおう
6 つ目のコツは、プライバシー保護に配慮した設計にしてもらうこと。おしゃれな外観を意識すると、ついつい開放感のありすぎる住宅作りをしたくなります。しかし暮らしやすい住環境を整えるには外からの視線をできるだけ排除しなければなりません。
たとえばエクステリアに塀を設けたり植物を多く植えたりと、外からの目線を遮るような目隠しがあると安心です。また軒を深く設計すると隣家の 2 階からの視線も遮れます。
上の写真の住宅では中庭を設けています。中庭はプライバシーを保ちつつ外の空気を感じられるほか、採光性にも優れているため大人気の間取りです。
近年増加傾向にある平屋は、プライバシー保護のためのさまざまな工夫が施されていますので、一度建築家に相談してみましょう。
また外からの目線ばかりに気を取られがちですが、家族内のプライバシー保護にも配慮しましょう。家族との距離が近くなりやすい点は平屋の大きなメリットですが、ひとりの時間に没頭できるような空間も考慮して設計すると、長く暮らしやすい家づくりができます。
2-7. コツ⑦:安全な暮らしを叶える防犯対策を施そう
おしゃれで安全な平屋を作るには、設計時から防犯対策を施すことも重要です。
平屋は泥棒の侵入口となりやすい窓が1階に集中しているため、狙われやすいデメリットがあります。安全な暮らしを叶えるために、泥棒が狙いにくい家づくりを心がけましょう。
平屋でできる防犯対策には以下のようなものがあります。
- 合わせガラスや複層ガラスなど、防犯性の高い窓にする
- 足音がわかりやすい砂利を窓の周りに敷く
- 死角になりやすい箇所に防犯カメラを設置する
おしゃれな平屋の外観にこだわりつつ、防犯対策もしっかり施して安全に暮らせる住宅を目指しましょう。
3. こだわり抜いたおしゃれな平屋を作るなら建築家・設計事務所にお任せ
平屋でおしゃれな外観を実現しながらも、快適に暮らせる環境を整えるならプロの建築家・設計事務所に相談するのが近道です。
建築家は依頼主の細かい要望を汲み取り、建築知識のない人には思いつかないような素敵な提案をしてくれます。また事前に予算を伝えておけば、予算内でできるおしゃれな平屋の設計を施してくれるのもうれしいポイントです。
さらに住宅の外観のみならず、庭や外構といったエクステリア空間もトータルコーディネートしてもらえる点も建築家に相談するメリットです。平屋の外観のみがおしゃれでも、そのほかの部分に統一感がなければ、一目置かれる素敵な住宅作りは叶いません。
住宅は人生において非常に大きな買い物です。理想のおしゃれな平屋を実現したいなら、建築家・設計事務所へ相談しましょう。
4. まとめ
高齢になっても住みやすさを維持しやすい平屋住宅ですが、高さがない分、おしゃれなポイントを出しにくいと感じる人も多いかもしれません。しかし、しっかりとおしゃれな平屋にするコツを掴んでおけば、迷うことなく満足のいく平屋を建てられます。
もし「プロの意見を聞いてみたい」と考えている場合には、タイテルの建築家紹介サービス も便利です。一級建築士の建築アドバイザーがご要望を伺って、「注文住宅を建てたいお客さま」と「建築家(設計事務所)」をおつなぎしています。ぜひお気軽にご相談 ください。
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