おしゃれな注文住宅の施工例 13 選と実現する 8 つのコツ
これから注文住宅を建てるなら、毎日見るたびに「建ててよかった」と思えるおしゃれな家にしたいですよね。でも家づくりの経験があまりない人にとって、どんなことに注意すればおしゃれになるのか、なかなか思い浮かばないかもしれません。
そこでこの記事では、おしゃれな注文住宅の施工例とスタイリッシュな家を作るための具体的なコツを、外観・内装・間取りの 3 つに分けて、具体的に解説します。読んでいただくと、おしゃれな注文住宅を建てるために注意すべきポイントが、はっきりとわかるようになるはずです。
まず、この記事のまとめポイントです。
- 外観は「外壁の素材や色」「流行の形」「窓の大きさや形」の 3 つを意識することが大切。
- 内装は「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラーの」黄金比率を押さえ、中でもメインカラーの色や素材にこだわるとおしゃれにしやすい。
- 間取りは開放的なプランを積極的に取り入れ、収納を充実させるのがおすすめ。
- 費用を抑えながらおしゃれな家にするには、見せたいところにコストをかけつつ、金額がかかりやすい工事を避ける。
- ただし費用を抑えても安っぽくならないように、材料のサンプルで材料の質感や耐久性をしっかり確かめるようにする。
- おしゃれな注文住宅を作るなら、制約の多いハウスメーカーより自由度が高く希望に柔軟に応えられる建築家がおすすめ。
1. おしゃれな注文住宅の施工例 13 選
はじめにセンスあふれる建築家がデザインした「おしゃれな注文住宅」の実例を、「外観」「内装」「間取り」の 3 つに分けてご紹介します。おしゃれにするための具体的なテクニックも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
1-1. 外観編
外観はその家がおしゃれかどうかを印象付ける、とても大切な部分です。せっかく内装などをおしゃれにしても、外観がイマイチだと新しい住まいの喜びも半減してしまいます。次にご紹介する実例のこだわりを取り入れてもらえれば、きっと素敵な外観にできるはずです。
1-1-1. シンプルさの中におしゃれが詰まった家
白い箱型の外観が印象的な注文住宅です。2 階の大きな壁面がスクエアでモダンな印象を強調しています。また左側の半透明のパネル部分や、1 階の縦長スリット窓が程よいアクセントになり建物のスタイリッシュさを高めています。
またライトアップされた植木の影が 2 階部分に映し出され、夜には別の表情を見せるようにデザインされています。
1-1-2. 屋根で個性を演出している平屋
大きな一枚の屋根の傾斜が、単調になりがちな平屋の外観を個性的にしています。さらにスチール系の屋根材や外壁材を縦張りにして、シャープでモダンなテイストをプラス。建物の南側に張り出した屋根の、四角いくり抜きや大胆にカットした軒先が斬新さも加えています。
ただし奥に見える建物本体の外壁を控えめな色にすることで、全体が重くなりすぎないようにしています。
1-1-3. 外壁の仕上げにおしゃれさを備えた家
外壁をコテの跡を残した塗り壁で仕上げ、モダンでスクエアな形ながら味わいもプラスしています。窓を最小限にして塗り壁の印象を強めるテクニックは、外壁に個性的な材料を選んだときの参考になるでしょう。
さらに外壁の色を階ごとで切り替え、3 階建てにありがちな間延びした印象を避けています。
1-1-4. 窓の配置でスタイリッシュにした家
黒い外壁と四角い形が印象的な注文住宅ですが、見所は窓の大きさと配置です。無駄を省き最小限の窓にしたことで、より目を惹く外観デザインになっています。
しかも窓から見える室内とインナーガレージの白い壁が、外壁の黒さとコントラストを生みメリハリの効いた外観になっています。
1-2. 内装編
ここからは建築家がデザインした、おしゃれな内装の実例を紹介します。内装は毎日見る部分になるので、おしゃれにデザインできないととても残念な気持ちになってしまいます。建築家はどんなところを注意して内装をデザインしているのか、実例とともに解説します。
1-2-1. 爽やかなアクセントカラーの壁
ナチュラルテイストの部屋に、自然に溶け込みながらアクセントになっている壁の例です。発色を抑えた色にすることで、部屋の柔らかな雰囲気を壊さないように配慮しています。
さらにかすれた仕上がりが、まわりの木の素材感と馴染んでいます。これらは木目を多用した内装の家におすすめの、カラーリングテクニックです。
1-2-2. 素材と色の組み合わせでおしゃれな床に
白いタイルの床で、明るさとおしゃれさを演出しています。タイルは冷たい雰囲気になってしまうことがありますが、隣に木目のフローリングや格子の仕切りを使うことで温かみを加えています。
タイルというモダンな素材と、木のような自然素材は意外と組み合わせが難しいため、とても参考になる施工例です。
1-2-3. 部屋に表情を加えている照明
シンプルな内装に照明で表情を加えている事例です。テレビの後ろにある照明が奥行きを加え、ダウンライトの光の映り込みが床に表情を与えています。
照明を部屋を明るくするだけでなく、それぞれの光の見え方をイメージしてデザインの一部としている点が参考になります。
1-3. 間取り編
続いておしゃれに見せる間取りの実例を紹介します。間取りもおしゃれな注文住宅にするためには、しっかり設計したい部分です。よりスタイリッシュな空間を作るための参考にしてください。
1-3-1. 視界の広がりと素材で魅了する階段
踏み板を個性的な質感にして、デザインのアクセントにした階段です。階段の奥に視界が抜けているため、両側に壁がありながらも広がりを感じさせます。
なるべく装飾を付けず、自然と階段の踏み板に目が行くようにするのは真似しやすいテクニックです。また階段の横や下にある足元灯が、階段をライトアップしてよりおしゃれにしています。
1-3-2. 素材の組み合わせがおしゃれな玄関
石目の土間と両側にある木調の収納や棚、そして奥のスチールの階段と異なる素材が同居している玄関です。
さまざまな素材を一つの空間に入れると、ちぐはぐになったり派手すぎたりしてしまうことがあります。しかしこの事例ではそれぞれを落ち着いた色柄や質感にすることで、シックでおしゃれな空間にしています。
1-3-3. 空を感じるおしゃれなリビング
窓から見える外の景色が、まさに空を感じさせるおしゃれなリビングです。明るさや広がりを生む大きな窓が、外の景色も取り込んでその良さを何倍にもしています。
また天井に段差を付けることで、上方向の広がりもプラスしています。「吹き抜けにはできないけれど、頭上の圧迫感を減らしたい」という方におすすめのテクニックです。
1-3-4. 照明と収納で幻想的な和室に
まるで宙に浮いたような収納と、雲の隙間から照らす光のような天井の照明が幻想的なおしゃれ和室です。さらに収納下の地窓や市松模様に見える琉球畳なども加わり、シンプルながら見る者を飽きさせません。
「奇抜なデザインにはしたくないけど、スタイリッシュな和室にしたい」という方にぜひ参考にしてほしい事例です。
1-3-5. 景色と一体になった寝室
海辺の景色の中に溶け込んだような、おしゃれな寝室です。枠を極力少なくした窓のおかげで、まるで外で寝ているような感覚になります。床を土に近い色にしたり室内のものを最小限にしたりすることで、さらに家の中にいる感覚を薄めています。
また部屋から景色がどのように見えるかもしっかりプランニングされており、プロの建築家としてのこだわりがうかがえます。
1-3-6. 部屋を特別な空間にするキッチン
存在感のある色と形のキッチンを中央に置き、部屋全体をスタイリッシュな空間にしています。キッチンや床のブラックと、まわりのホワイトの範囲をはっきりと切り分けることで、モノトーンでありながらインパクトのある内装に。
色をあちこちに散らさないこの配色方法は、広さを感じやすいというメリットもあります。
2. 【部分別】注文住宅をおしゃれにする 8 つのコツ
続いて注文住宅を、よりおしゃれにするためのコツを解説します。こちらも「外観」「内装」「間取り」の部分別に、具体的な方法をお伝えします。実際にどんな家にするか考えるときの、チェックリストとして活用してください。
2-1. 外観のコツ
家に帰ったときに必ず目にし、お客さまを呼べば最初に見られるのが外観です。その家の印象を決める大切な部分であり、絶対失敗したくないところと言えます。次に解説するコツを押さえるとおしゃれにしやすくなるので、ぜひ目を通してみてください。
2-1-1. 外壁の素材や色にこだわる
外壁の素材や色は、その家のおしゃれさに大きく影響します。外壁は面積が広く、最も目に入る部分になるからです。例えば外壁の色を白にすれば、明るく清潔感のある印象になります。あるいは黒やグレーなどを使えば、都会的でスタイリッシュな家に見えるでしょう。
また素材を木調や塗り壁にすればナチュラルで自然な風合いの家になり、金属系の外壁ならクールな印象になります。さらに 1 つの外壁で全体を仕上げ、部分的に別の色や素材を使うとよりおしゃれなデザインになります。
2-1-2. 流行の形を参考にする
おしゃれな外観の注文住宅にするなら、流行の形を参考にしてみましょう。形も見る人に与える印象が大きく、しかも最新のデザインの方がおしゃれに見えやすくなります。
今の住まいのデザインは凹凸が少なく、箱を組み合わせたようなシンプルな形が多くなっています。この形は壁面が大きく見え、外壁の色や素材がはっきりわかります。そのためシンプルでありながら、印象に残りやすい家になります。
2-1-3. 窓の大きさや形もデザインする
住まいの外観にとって、窓の大きさや形もデザインの一部になります。そのためおしゃれな外観にするには、窓もしっかりデザインするようにしましょう。例えば大きな窓が前面にあれば、外観上のアクセントにしながら奥行きも感じられます。
あるいは縦長のスリット窓や横長の高窓など、シャープなデザインの窓を付けるとモダンさが加わります。また小さな窓をバランスよく配置することで、スクエアな建物に見た目の変化を持たせることができます。
2-2. 内装のコツ
内装は日常生活をともに過ごす部分になるので、おしゃれにできると新しい住まいの満足度が一気に高まります。次の 3 つのポイントを参考に、ワンランク上の内装を作ってみましょう。
2-2-1. 配色を黄金比で考える
内装の色は配色の黄金比を基本に考えると、おしゃれに仕上がりやすくなります。配色の黄金比とは
・ベースカラー:70%
・メインカラー:25%
・アクセントカラー:5%
の割合で色を使うことです。それぞれに壁や床、カーテンなどの色を当てはめると、程よいバランスの色の内装になります。
例えば上の写真の例では、壁と天井をベースカラーにして馴染みやすい白やベージュを選び、床の一部をメインカラーにして主役となる木目にしています。さらに家具などでアクセントカラーをプラスし、おしゃれな配色の部屋になっています。
2-2-2. メインカラーの色や素材にこだわる
部屋の主役の色となるメインカラーは、色や素材にこだわるとワンランク上のおしゃれな部屋になります。メインカラーはその名のとおり主役の色であり、もっとも見る人の印象に残る色だからです。
濃い色を選べば落ち着きや高級感が増し、明るい色を選ぶと部屋全体が華やかな雰囲気になります。さらに形などにも凝ると、他とはちょっと違った個性的な部屋にできます。
2-2-3. デザインコンセプトを決める
おしゃれな内装を作るなら、部屋のデザインコンセプトを決めましょう。デザインコンセプトとは大まかなイメージのことで、「モダン」や「リゾート」などのキーワードで構いません。
デザインコンセプトが決まると部屋のデザインに統一感が生まれ、見る人の印象に残る内装になります。また壁や床の色柄や照明や家具も決めやすくなり、ちぐはぐな内装にならずに済むという効果もあります。
2-3. 間取りのコツ
続いておしゃれな注文住宅にするための、間取りのコツをご紹介します。間取りはデザインのおしゃれさに加え、快適さも考えてプランニングすることが大切です。「スタイリッシュで住み心地が良い家」にするために、次の 2 つを意識してみてください。
2-3-1. 開放的な間取りにする
おしゃれな間取りにするなら、ぜひ「開放的な間取り」を取り入れてみましょう。開放的で広がりのある間取りの方が、さまざまなデザインの工夫ができるからです。
例えばリビングを吹き抜けにして、そこに梁を設けたりデザインの凝った照明を付けたりすれば、よりおしゃれな雰囲気を味わえます。あるいは開放的な大きな窓を付けて、外の景色をインテリアの一部にしたおしゃれな部屋にすることもできます。
また開放感があると見る人は心地よさを感じ、内装などのデザインがよりおしゃれに見えるという効果も期待できます。
2-3-2. 収納を充実させる
おしゃれな注文住宅にするなら、収納の充実した間取りにするのもおすすめです。いくらデザインに凝っても、収納が少なく住んでから物が散らかっていればおしゃれさは半減してしまいます。
特にリビングは、普段使いの小物やお子さんのおもちゃ、ランドセルなど、しまう物がたくさんあります。そのため収納を充実させ片付けやすくすることで、おしゃれさを維持できます。
3. 費用を抑えながらおしゃれな家にするテクニック
ここからは費用を抑えながら、おしゃれな注文住宅にするテクニックを 2 つ紹介します。いくらおしゃれにできるとしても、予算オーバーになっては単なる夢で終わってしまいます。予算内で、できるだけおしゃれな家にするための参考にしてください。
3-1. 見せたいところにコストをかける
費用を抑えながらおしゃれな注文住宅にするなら、デザインのポイントに絞って費用をかけるようにしてみましょう。せっかくの家づくりだからと、あちこちに費用をかければあっという間に予算オーバーになってしまいます。
例えば外壁なら全体はスタンダードな材料を使い、デザインのアクセントとなるところにコストをかけて凝った素材を使います。あるいはリビングから見えるキッチンは質感の良い上位グレードのものを選び、お風呂は割り切ってスタンダードなものにするのも良いでしょう。
3-2. コストがかかる工事を避ける
注文住宅の費用を抑えるには、コストのかかる工事を避けるという方法もあります。
例えば注文住宅では、複雑な形にするとコストが上がる傾向にあります。このため 1 階と 2 階の大きさや形が同じ「総 2 階」にしたり、建物を上から見たときに凸凹が少ない形にしたりすると費用を抑えやすくなります。
また窓はたくさん付けるほど費用がかかります。そのためデザインや明かり取りで必要な窓以外は、できるだけ付けないという考え方もあります。お伝えした通り窓を最小限にすると外観がおしゃれになることもあり、最近では積極的に考えたいデザインポイントになっています。
4. 安っぽい家になるのを防ぐ 2 つの対策
先ほどコストをかけるところを絞るというお話をしましたが、ここで心配なのが「コストを抑え過ぎて安っぽい家にならないか」という点です。そこで次の 2 つの点に注意しながら、使う材料を選ぶようにしてみましょう。
4-1. サンプルで質感を確かめる
おしゃれにしたい部分の材料は、必ずサンプルなどを取り寄せて質感を確かめるようにしましょう。選んだ材料の質感が悪ければ、せっかくの注文住宅が残念な仕上がりになってしまいます。
またキッチンやお風呂などの設備も、カタログと実物の印象が違うことがあります。こちらもショールームで実物を見たり、オーダー設備の場合は部材のサンプルを取り寄せたりして質感を確かめるようにしましょう。
4-2. 耐久性を確かめる
材料を選ぶときは、耐久性もしっかり確かめて選ぶことをおすすめします。新築のときはきれいでも、耐久性が悪いと短期間でみすぼらしい姿になってしまうことがあります。
例えば屋根材のスレートは価格を抑えられる反面、15 年前後で劣化し見た目が悪くなってしまいます。また外壁の塗料もさまざまなグレードがあり、あまりにも価格の安いものは早い段階で汚れてしまう恐れがあります。
材料を選ぶときはデザインだけでなく、耐用年数も聞いたうえで選ぶようにしましょう。
5. おしゃれな注文住宅はハウスメーカーでは難しい
おしゃれな注文住宅を作るなら、ハウスメーカーより建築家に頼んだ方が確実です。建築家の作る家は設計の自由度が高く、おしゃれな家にするための細かな注文に応えやすいからです。
一方のハウスメーカーは多くの家を効率よく建てるため、材料や工事方法を規格化しています。そのためお客さまのおしゃれに対するこだわりに、応えられないことがあります。
例えばスタイリッシュな外壁を選ぼうとしても、そのハウスメーカーが普段扱っていないものなら、使えなかったり割高な料金になったりすることがあります。また室内を個性的な作りにしたくても、過去に工事の経験が無ければ断られるかもしれません。
しかし建築家は、普段から材料や作り方を一軒ごとに設計しています。そのためお客さまのおしゃれへの希望に、柔軟に応えられるのです。おしゃれな注文住宅を実現するなら、まずは建築家に相談してみてはいかがでしょうか。
より詳しくハウスメーカーと建築家の違いをご存じになりたい方は、以下の記事も併せてご覧になってみてください。
ハウスメーカー・工務店・設計事務所の 7 つの違いと後悔しない選び方6. まとめ
おしゃれな注文住宅を作るには、建物の外観や内装、間取りなどを丁寧にプランニングすることが大切です。ただし闇雲に凝った作りにすると、予算オーバーになる恐れもあるでしょう。そのためコストをかける部分を絞るなどの工夫も必要です。
一方でコストを抑えすぎると、安っぽい家になってしまう心配もあります。そのため材料のサンプルを取り寄せて質感を確かめ、さらに耐久性の高い材料を選ぶことも大切です。
こうしたこだわりの「おしゃれな注文住宅」を作るなら、やはり細かなところまで柔軟に対応してくれる「建築家」に相談するのがおすすめです。
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