【写真付き】リビング大きい窓がある住宅 9 選
リビングに大きな窓があると、光や風を室内に取り入れて開放感あふれる過ごしやすい環境に整えてくれます。加えて周囲とはひと味違う高級感を放ち、上品でおしゃれな住宅に仕上がる点も大きな魅力です。
とはいえメリットばかりではありません。同時に考えられるデメリットについても理解しておかなければ、住宅の構造に後悔してしまう可能性もあるでしょう。
この記事では、リビングに大きい窓を取り入れるメリット・デメリット、さらには開放的な住宅の実例を 9 選ご紹介します。
写真付きの実例から、自宅に取り入れたい理想の窓をイメージできるようになるため、ぜひ最後まで読んでください。
1. リビングに設ける大きい窓とは?
まずは、リビングに設けたい大きい窓とはいったいどのようなものなのかについて解説します。
1-1. リビングにある大きい窓の種類は「掃き出し窓」
よくリビングに設置されている床まである大きな窓は「掃き出し窓」と呼ばれ、昔から日本の家屋に取り入れられていました。ホウキによる掃き掃除が主流だったころ、窓からちりやほこりを掃き出しやすいように作られたことが由来とされています。
また開放感をたっぷりと味わえる掃き出し窓は、ダイナミックに開くため「大開口窓」と呼ばれるケースもあります。ほかにも開口部いっぱいまで開け放てる窓は「フルオープン(ワイドオープン)」などと呼ばれることもありますので覚えておきましょう。
1-2. 掃き出し窓の一般的なサイズ
一般的な掃き出し窓のサイズは「幅: 1,800 mm」「高さ: 1,800 〜 2,000 mm」とされています。最近ではより光を取り入れ、開放感あふれる住環境を求めて天井部まで届きそうなほど高い掃き出し窓を選ぶ人も珍しくありません。
2. リビングに大きい窓を設ける 5 つのメリット
ここからはリビングに大きい窓を設けるメリットを 5 つご紹介します。総合的に見ると、大きい窓は快適で住み心地の良い環境を作る効果があり、家族で長く暮らす家には欠かせない存在といえるでしょう。一つずつ詳しく解説していくので、参考にしてみてくださいね。
2-1. 開放感のあるリビングになる
大きい窓があることで、採光性が高く開放的なリビングになります。そのため、ベランダや庭に面した位置に設置されるケースが多い傾向にあります。窓のない閉鎖的な室内よりも、外の空気を感じられる空間のほうが気持ちも前向きに明るくなる点も大きな魅力です。
さらに開放感のあるリビングは視覚的にも部屋全体を広く見せる効果があります。狭いリビングであっても大きい窓を取り付ければゆっくりくつろげる広さを感じられるでしょう。
2-2. 庭やテラスとのつながりを楽しめる
庭やテラスとのつながりを楽しめるのも大きな窓の魅力でしょう。室内から外の様子をすぐに確認できるため、安心してお子さまを遊ばせてあげられます。
さらにウッドデッキを設けて、週末に外で簡単な食事やバーベキューを楽しむことも可能です。室内との動線が確保できると、食事を運ぶための往復も容易にできます。大きい窓は室内と屋外のつながりを作り、家族がより楽しく過ごしやすい家にしてくれるでしょう。
2-3. 通気性や採光性に優れている
住宅の中心にあるリビングに大きい窓を設置すると、通気性や採光性を高められる点も嬉しいポイントでしょう。
そもそも日本は湿度が高いため、湿気対策は快適に過ごすための重要な課題です。通気性に優れた住宅を建てれば、アレルギーの原因ともなるカビの発生を防げます。加えて採光性が高ければ、日中に光を多く取り入れて電気代の節約にもつなげられるのです。
2-4. 大型家具の搬出入がしやすい
引っ越しや家具を新調したときに、玄関を通れないような大型家具の搬出入がしやすくなる点も大きい窓の魅力です。
ちなみに家具のサイズが大きすぎて玄関を通れず、大きな窓もない場合には一度家具を分解して搬入後、再度組み立てる手間が必要となります。業者によっては別途費用を請求されてしまうケースもあるため、ぜひ搬入経路にもなる大きい窓は取り入れておきたいところです。
2-5. 万が一の災害時に逃げ道となる
大きい窓は災害の多い日本において、万が一の場合に備えた「逃げ道」にもなります。とくに家族の人数が多い場合や、小さいお子さんや高齢者、車椅子を利用されている方がいる場合に役立つでしょう。
災害のような一刻を争う緊急時には、窓からの避難ルートは非常に重要です。万が一のことも考慮して、大きい窓の設置を検討しましょう。
3. 後悔しないために!リビングに大きい窓を設けるデメリットも知っておこう
室内に明るく開放感を与えてくれる大きい窓ですが、建築後に後悔しないために知っておきたいデメリットを 4 つご紹介しましょう。あわせて解決策も解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
3-1. 第三者からの視線が気になる場合がある
室内から外を見渡せる大きい窓ですが、もちろん外からも見られてしまいます。とくに道路に面した窓の場合、第三者からの目線が気になるかもしれません。
外からの視線を遮るためには、外構で「目隠しフェンス」を建てましょう。フェンス周りに植物やお花を植えて自然を楽しみながら室内を隠すのも一つの手段です。
またこれから土地を探す場合は、なるべく広い土地を選ぶとよいでしょう。広い土地を選ぶと視線が遠ざかり、室内の細かい部分が見えにくくなるためです。さらに必然的に郊外になる可能性が高く、そもそもの人通りが少なくなります。
3-2. 夏は暑く、冬は寒くなりやすい
熱伝導性のいい窓ガラスは、夏は暑く冬は寒くなりやすい特徴があります。窓の面積が大きくなればなるほど外気の通り道が大きくなってしまうため、断熱性の高い窓を選んで室内での過ごしやすさを格段にアップさせましょう。
具体的には「樹脂製フレーム」かつ「複層ガラス」の窓を選ぶのがポイントです。樹脂製フレームの熱伝導性は通常のアルミフレームに比べて、 1,000 分の 1 ほどで非常に低いとされています。そして複層ガラスは単板ガラスの約 2 倍もの断熱効果を期待できます。
とはいえ断熱効果の高い窓は価格も高価になりがちです。なるべく低コストで抑えたい場合は、設計段階で日当たりを考慮した向きに窓を設置するのも一つの方法でしょう。日当たりは周囲の建物やその土地に応じてよりよい向きがあるため、プロにしっかりと相談することが重要です。
3-3. 太陽光が室内に入りすぎて眩しさを感じる
大きい窓は直接光が入り込むスペースも大きくなるため、眩しさを強く感じる可能性もあるでしょう。太陽光が入り込みすぎるとテレビの画面や本が見えにくくなったり、床や家具が日焼けして劣化が早まったりする場合もあります。
対処法としては、庇(ひさし)や外付けの日よけアイテムを使って日陰を作ったり、遮光カーテンを取り付けたりと工夫してみましょう。庇や日よけアイテムをつけることで夏の強い日差しを遮りながら、冬の温かい光を取り入れられます。
また設計時には、西側を避けて大きな窓を設置することも考えましょう。西側は1日で最も強い光が発生するためです。大きな窓を設置するときは日当たりのちょうどいい南側を検討してみてください。
3-4. 防犯性に劣る
泥棒の侵入経路は「 1 階居室の窓から」が最も多いとされています(参考: YKK AP )。人目を遮るために目隠しフェンスを設置している家庭も多いですが、誰も入って来られないだろうと安心しきってしまい窓の施錠を忘れてしまうケースも少なくないのです。
また窓を施錠していても普通の窓ガラスでは簡単に割られてしまいます。家族が安心して暮らすためには、窓の防犯性は必須なのです。そのため、たとえば以下のような対策を実施してみましょう。
窓の防犯性を高めるためには、割れにくい「防犯合わせガラス」に交換したり「内窓」をつけたりとさまざまな工夫ができるため、設計事務所に確認してみてください。
4. リビングに大きい窓を設けても耐震性は低くならない!
よく「リビングに大きい窓を設けると耐震性が低くなる」と考える人も多いですが、結論からお伝えすると、法律に則って造られた建物なら問題ありません。
住宅は、建築基準法が定める規定に沿って開口部の大きさを計ったりレイアウトされたりしています。そのためしっかり法律に則って造られた住宅であれば、大きい窓を設けても耐震性が低くなることはありません。
ただし大きい窓をたくさん取り付けたい場合には、窓以外の部分に負荷がかかります。そのため壁そのものや壁を構成する金物の強度を高めたり、耐震補強フレームを採用したりといった対策が必要です。その分コストもかかる可能性がありますので注意しましょう。
5. 【写真付き】リビングに大きい窓がある開放的な住宅の実例 9 選
最後に建築のプロがデザインした開放的な住宅の実例を 9 選ご紹介します。どの住宅にもリビングに大きな窓が設計されていますので、ぜひ参考にしてください。
自分に合ったリビング・窓をデザインしてくれる建築家と話がしてみたい・紹介してみてほしいという方は、タイテルの建築家紹介 も便利です。
5-1. 外観編
まずは、道行く人が見惚れるような美しい外観の住宅からみていきましょう。
5-1-1. 森林の恩恵をダイレクトに感じられる別荘
森林の恩恵をダイレクトに感じられる別荘
軽井沢の旧道に立つこちらの建物は、第二の住宅ともいえる別荘です。緑が美しい木々に囲まれる立地のため、リビングに大きな窓を 8 つ並べて「自然の癒し」を全身で感じられる空間に仕上げています。
加えて室内と庭を柔らかくつないでくれる広々としたウッドデッキにより、森と一体化したような建物に見える点も大きな魅力です。
5-1-2. 四角形と三角形の大きな開口部が印象的な住宅
東京都目黒区の高台に立つこちらの住宅は、四角形の大きな窓をメインとし、その奥には三角形の開口部を覗かせる印象的な構造が魅力です。
大きな窓からは開放感たっぷりの吹き抜けが見えるため、周囲の人にも軽快な印象を与えられるでしょう。
5-1-3. オープンな中庭で光を取り入れる住宅
プライバシーを保護するために「外側は閉じ、内側は開く」といった構造を採用したこちらの住宅。中庭には癒しを感じられるように庭木を植えて、空からは光を取り入れられるように開放的な造りにしています。
そして、そんな中庭に向けて各部屋に大きな窓を設けたことで、第三者の目線を気にせずに自然と共存できる住宅となりました。
5-1-4. 白と黒のツートンカラーが特徴的な二世帯住宅
こちらの二世帯住宅では、 1 階部分に大きな窓を設けて開放感を与えた造りになっています。大開口を設けて空間を広く見せることで、住まう人の数が多くても狭さを感じないように工夫されているのです。
また白と黒のツートンカラーの外壁は、面白さとメリハリを演出した左官仕上げ。おしゃれな雰囲気をかもし出し、周囲とはひと味違う住宅となっています。
5-2. 内装編
続いては、リビングに大きな窓を設計した住宅の内装をご紹介します。
5-2-1. 広大な海を臨む圧巻の住宅
大島に建てられたこちらの注文住宅は、目の前に青々とした海が広がる美しい立地にあります。この立地を活かして、海が見える建物の側面には大きな窓を設置。リビングでゆったりとくつろぎながら、窓を大きなスクリーンと見立てて揺ら揺ら波打つ海を眺められます。
加えて室内も、あえてキッチンやダイニング、リビングに壁は設けず、すべての部屋をつなげることで開放感をプラスしている点も大きな魅力です。
5-2-2. リビングの大きな窓で四季を切り取る建物
湯布高原の丘の上にそびえ立つこちらのヴィラは、各部屋に大きな窓を設置してリラックス空間を実現しています。
目の前には緑が美しい山々が広がり、ゆったりと癒やされながら四季折々の景色を堪能できるでしょう。
5-2-3. 無垢材の木枠にはめた大きな窓で庭を眺められる家
栃木県の塩谷町に建てられたこちらのウッディな住宅。床から天井まで目一杯広がった大きな窓からは、ご自宅の庭をいつでも眺められます。
天井や壁、床、棚といった内装のほとんどの場所には、ナチュラルな印象を与える無垢材をふんだんに使用。日常生活で自然を感じられる空間となっています。
5-2-4. 屋根から日の光を存分に取り入れ、自然と共存する家
こちらの住宅では、屋根の大部分を開口部としています。これにより家の中心にある中庭にはさんさんと光が降り注ぎ、リビングやダイニング、子ども部屋などを明るく照らしてくれるのです。
周囲からの目線が気にならない場所が開放的な造りになっているため、子どもたちものびのびと遊べます。
5-2-5. リビングの二面に大きな窓を設けた住宅
こちらの住宅では、リビングの 2 面を窓で形作ることで圧倒的な開放感を実現しました。どこから眺めても緑が美しい庭を前に、いつまでも座っていたくなるようなリラックスできるリビングとなっています。
また上品なリビングセットやスタンドライトを配置したり、華奢ならせん階段を設計したりと家の高級感にあわせたコーディネートを組んでいる点も魅力です。
6. まとめ
この記事では、リビングに大きい窓を取り入れるメリット・デメリット、そして開放的な住宅の実例を 9 選ご紹介しました。
一長一短がある大きな窓ですが、正しい対策を講じればデメリットのほとんどは解決します。無理に自力で対策しようとせず、プロの建築家(設計会社)に相談してみましょう。
titel(タイテル)では、完全オリジナルの注文住宅を建てたいお客さまに、一級建築士の資格をもつタイテル建築アドバイザーが建築家・設計事務所をご紹介 しています。「リビングを洗練された空間にしたい」「大きな窓を設置して明るいリビングにしたい」と考えている人は、ぜひタイテルの無料相談をご利用ください。