注文住宅に必要な「諸費用」とは?それぞれの金額や支払いタイミングを解説

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注文住宅を建てるときには、土地そのものの費用や建物を建てる工事費のほかにも、いろいろな費用があわせて発生します。そのような費用をまとめて「諸費用」と呼ぶことが多いです。
また、諸費用を支払うタイミングや金額は、ものによって異なります。

家を建てるのにはどんな諸費用がかかるのか? どのタイミングで、いくら払う必要があるのか? 具体的な金額の例もつかいながら解説します。

<目次> 注文住宅に必要な「諸費用」とは?それぞれの金額や支払いタイミングを解説

  1. 1. 諸費用はいくらぐらい必要?
  2. 2. 土地を買う時に必要な諸費用
  3. 3. 設計で必要な諸費用
  4. 4. 建築工事に必要な諸費用
  5. 5. 住宅ローンに必要な諸費用
  6. 6. その他の諸費用
  7. 7. 現金での支払いを最小限にするには?
    1. 7-1. つなぎ融資や分割融資を利用する
    2. 7-2. 家具や家電を工事の中に組みこむ
  8. 8. まとめ

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1. 諸費用はいくらぐらい必要?

家づくりの諸費用は、一般的に土地の価格と建物の価格の合計値の 15%~25% くらいになるケースが多いと言われています。
例えば、4,000 万円の土地に 5,000 万円の建物を建てる場合、トータルの諸費用は 約 1,350 ~ 2,250 万円 かかるということになります。それぞれの費用で考えるとそこまで大きな金額でないものが多いのですが、トータルで見ると少なくない金額になります。

まずは予算計画を立てるときに、土地の費用や建築の費用だけでなく、あらかじめ諸費用を見込んでおくことがとても大切です。また、諸経費は基本的にはローンに含むことができず、そのタイミングで現金で支払わなければなりません。その点も踏まえて無理のない資金計画を立てていきましょう。

諸費用は、大きく分けて

  • 土地購入
  • 設計
  • 建築工事
  • 住宅ローン
  • その他
の 5 つのプロセスで発生することが一般的です。それぞれの詳しい内容をご紹介します。

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2. 土地を買う時に必要な諸費用

まずは土地を購入する時にかかる諸費用の内容と金額について説明します。
(想定するケース:4,000 万円の土地に 5,000 万円の建物を建てる場合)

諸費用の種類 内容 費用の考え方・相場 費用の例
売買契約
手付金
土地を買うときに支払う手付金。
最後に支払う土地購入費の総額からは、この手付金の金額が差し引かれる。
土地価格の
10%
400 万円
仲介手数料 不動産会社に支払う手数料 土地価格の
3% + 6 万円 + 税
139 万円
登記費用 所有権移転登記に必要な登録免許税 土地価格の 1.5% 60 万円
固定資産税の
清算
その年にかかる固定資産税を、売り主と買い手で負担し合う費用。保有していた日数で日割りにすることが一般的。 不動産会社に
要確認
10 万円
印紙代 土地の売買契約書に貼る印紙代。契約金額による。 2~6 万円程度 2 万円
不動産
取得税
住宅としての不動産であれば軽減措置が受けられる。軽減を受けるためには土地取得から3年以内に建築しなければならず、都道府県税務署に申告する必要がある。 原則 土地価格の
4%(軽減前)
160 万円

合計:771 万円

※当初必要な現金の金額。売買契約手付金などはのちほど住宅ローンで補填されるケースが多い

特殊な土地では、他にどういった費用がかかる?

そのほかにも、特殊なケースでは測量や届出などの費用がさらにかかることもあります。例えば、隣の土地との境界を明らかにして実測値による面積で取引する場合や、土地を分筆して買う場合、農地を宅地として買う場合などの特殊なケースなどがあります。
数年のあいだ放置されていた場所だと木や草の伐採にお金がかかったり、不要なものが地中に埋まっていたら撤去しなければいけなかったり、予想外に費用がかかってしまうことも少なくありません。

購入を検討している土地があるときは、不動産会社や専門家に事前に問い合わせておきましょう。プロの目を入れることで、大きな見落としがないか確認することができます。

3. 設計で必要な諸費用

次に、住宅の設計にかかる諸費用についてです。
(想定するケース:4,000 万円の土地に 5,000 万円の建物を建てる場合)

諸費用の種類 内容 費用の考え方・相場 費用の例
設計監理料 住宅の設計・監理を建築家へ依頼する場合の費用。ハウスメーカーの場合は「諸経費」という名目で含まれていることもある。
構造設計料は含まれていることが多いが、念の為確認することを推奨。
工事費の 10~20%
(設計事務所による)
750 万円
印紙代 設計監理契約書に貼る印紙代。契約金額による。 2 千円~1 万円 1 万円
(建築確認
申請費用)
建築物が建築基準法に適合しているかを審査するための申請費用+代行手数料。
あらかじめ設計監理料に含まれているケースもある。
数万~数十万円
(建物規模による)
(20 万円)

合計:751~771 万円

これらの費用は、すべて設計事務所やハウスメーカーへ支払う金額となります。設計事務所に依頼する場合だと、設計監理料は進捗にあわせて数回に分けて支払うというケースが多いです。

設計監理料の金額や支払いタイミングは、設計事務所やハウスメーカーによって様々なので、設計を依頼する前に確認しておくことをおすすめします。 また、銀行や設計事務所との相談によっては、設計料の一部をローンに組み込むということもできることもあります。

4. 建築工事に必要な諸費用

次に、建築工事にかかる諸費用についてです。
(想定するケース:4,000 万円の土地に 5,000 万円の建物を建てる場合)

諸費用の種類 内容 費用の考え方・相場 費用の例
地盤調査 工事前に地盤の状態を確認するための費用。売主や不動産会社によっては土地購入前に実施可能な場合もある。 5~10 万円前後 7 万円
(地盤改良) 地盤調査の結果、地盤改良や補強が必要な場合にかかる費用。整地する面積(平米)の大きさに応じて費用が変わる。 1~2 万円/㎡
(対敷地面積)
(150 万円)
(解体費用) 既存建物がある場合の解体・撤去費用。延べ床面積や構造によって解体費用が変わることがある。
ここでは100平米の延べ床面積がある一般的な木造住宅を想定。
2 万円/㎡
(対延床面積)
(200 万円)
水道・ガスの引き込み 水道管やガス管を敷地内に引き込む、指定業者による工事。金額は本管からの距離による。 30~50 万円 40 万円
印紙代 建設工事請負契約書に貼る印紙代に貼る印紙代。金額は契約金額による。 2~6 万円程度 2 万円
登記費用 建物の所有権を登記する際の登録免許税。司法書士に手続きを代行してもらうのであれば別途手数料が必要。 工事費の 1~1.5% 50 万円
地鎮祭・
上棟式
着工前・上棟のタイミングで行う儀式にかかる費用。 10 万円前後 10 万円

合計:109~459 万円

工事費については、見積もりをしっかりと確認しながら、費用に含まれているものと含まれていないものを建築家に説明してもらい、きちんと理解することが大切です。

建築家やハウスメーカーによっては外構工事(植栽やテラス・駐車場・門扉・塀などの外部に関わる工事)は手をつけないなどというケースもあり、その場合は別途の外構工事を依頼する必要があります。

エアコンなどの空調設備は、ものによっては工事内で取りつけをするよりも、エアコン量販店で建て主が直接買う方が安く済むケースなどもあります。

また、工事費は、工事規模や金額にもよりますが、一般的には「着工時:30%」「中間時:30%」「竣工時:40%」などの分割で支払いを求められることが多いです。施工業者によっては、ローンの承諾が降りていれば竣工時に全額の支払いでも可能というケースもあります。支払いタイミングについては、施工業者を確定する段階で相談・確認しておきましょう。

分割で支払うときは、着工時や中間時に支払う金額は自己資金でまかなうか、もしくは銀行によってはつなぎ融資分割融資が利用できることもあります。自己資金で支払うときは、その費用も諸費用として見込んでおく必要があるので注意しましょう。

工事費の支払いについては、記事の最後にある 現金での支払いを最小限にするには? のパートもご参照ください。

5. 住宅ローンに必要な諸費用

次に、住宅ローンにかかる諸費用についてです。
(想定するケース:4,000 万円の土地に 5,000 万円の建物を建て、9,000 万円のローンを借りる場合)

諸費用の種類 内容 費用の考え方・相場 費用の例
住宅ローン事務手数料 住宅ローンを申し込む際に金融機関に支払う手続きの費用。事務手数料と保証料の合計額でどの金融機関が安くなるかを見比べることが重要。 借入額の 2.2% /
定額 3~6 万円
198万円
(保証料) 連帯保証人を立てない場合に保証会社に支払う費用。 借入額の 2% + 税 (198 万円)
印紙代 住宅ローンの契約書に貼る印紙代。 2~6 万円 6 万円
登記費用 抵当権設定登記に必要な費用。竣工後1年以内に登記する必要がある。司法書士の報酬は別途。 借入額の 0.1% 9 万円
火災(地震)保険料 火災等の自然災害が発生した場合の保険料。住宅ローンを申し込む場合には加入必須。 20~40 万円 30 万円

合計:243~441 万円

ここまでのすべてをまとめ、4,000 万円の土地に 5,000 万円の建物を建てる場合、「土地購入」「設計」「建築工事」「住宅ローン」それぞれの段階でかかる諸経費をすべて合計すると、1,874 ~ 2,244 万円 となります。これは 9,000 万円の工事費+建築費用に対して、21 ~ 25% の割合です。
地盤改良の有無や工事費の内訳、保証料などによっても金額に開きがありますが、一つの指標としていただければと思います。

6. その他の諸費用

これ以外にも、

  • 引っ越し費用
  • 仮住まいの費用
  • 家具を買う費用
  • 家電を買う費用
などの費用も諸費用として見込んでおく必要があります。具体的な費用については、家族構成やライフスタイル、地域、引っ越し時期によっても大きく変わるので、ここでは割愛します。

また、住宅ローンの金利優遇などにつながる住宅性能評価を取ったり、長期優良住宅の認定を受けたりするには、数十万円の費用がかかります。書類取得などの費用はあらかじめ見込んでおくと良いでしょう。

お金の負担を減らすために工夫できることは?

7. 現金での支払いを最小限にするには?

できる限り多くの金額を住宅ローンでまかない、現金は極力つかいたくない・手元に残しておきたいという人もいるかと思います。最近は諸費用も含めたフルローンを組むことができる銀行も出てきていることもあり、自己資金を使わずに家を建てたることもできるようになってきたかもしれませんが、実際には 自己資金なしでフルローンを組むことはあまりおすすめできません。その理由は、

  • 自己資金が少ないと銀行からの信用が落ちるため、住宅ローンの審査が通りにくくなる
  • 融資率が高いと金利が高くなるリスクが大きい

といったことがあるためです。

そういった中でも、住宅ローンの借入に不利な状況をつくらずに、諸経費の負担を少しでも減らす方法としては、以下の2つが考えられます。

7-1. つなぎ融資や分割融資を利用する

1 つ目は、工事費の支払いにつなぎ融資分割融資を利用するという方法です。

銀行によっては、工事費が決まり工事契約を結んだ時から、分割で融資を受けられることもあります。つなぎ融資を受けるという方法もありますが、住宅ローンに比べて金利が割高になることが多いので、事前の確認が必要です。つなぎ融資の金利分の支払いは、諸経費としても想定しておかなければなりません。

つなぎ融資や分割融資が利用可能かどうか、という視点も考えて銀行を選ぶと良いかもしれません。

7-2. 家具や家電を工事費のなかに組みこむ

2 つ目は、家具や家電を家の工事のなかに組みこむという方法です。

基本的には、家具や家電の費用は住宅ローンの対象に含めることができません。しかし、工事の一部として家具をオリジナルで造作したり、ビルトインタイプの家電を組み込む場合には、家具や家電を工事費として含むことができるので、住宅ローンでカバーできるものが増え、家具・家電の諸経費または必要現金を減らすことができます

建築家と家づくりを進めるときは、キッチンの高さや洗面台の高さ、収納のサイズまで細かく設計をするのが特徴です。例えば、

  • ビルトインの食洗機やオーブンレンジ、洗濯機などを組み込む想定でキャビネットを設計する
  • ダイニングテーブルはキッチンと一体で作る
  • 部屋の幅に合わせた本棚を造作する
  • ソファを空間と一体で造作する
といったことも可能です。
このような場合の費用は、すべて工事費に含まれるため住宅ローンの対象になります

また、カーテンやブラインド、照明器具なども、設計のときから空間に合わせて検討し、工事の一環として取り付けるということもできます。費用面だけではなく、家具購入の手間を抑えられるというのもメリットの一つです。

空間に合わせてソファや本棚を造作した例( 御手洗 龍 / Rib

8. まとめ

土地の価格や工事費のほかにどのくらいの諸経費がかかるのか、あらかじめ想定しながらあなたの家づくりの資金計画に反映いただければ幸いです。

この記事の金額はあくまで相場の情報や一般的なケースをもとにした参考価格なので、

  • 自分のケースでの具体的な諸費用を知りたい
  • トータル予算のうち、いくらを自己資金でまかなえるか知りたい
  • いくら融資をもらえば良いのかがわからない
  • どの銀行からローンを借りるか悩んでいる
など、資金計画に不安があるという人は、ぜひ タイテルの専門家に相談 してみてください。
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