開放感のある家 13 選!建築家が手掛けた実例を紹介
明るい光が差し込むリビング、心地よい風の抜けるダイニングでお茶を楽しむ。家を建てるなら、開放的な家にしたいと思いませんか。建築のデザイン次第で、明るく広々としたマイホームは叶います。
今回は、開放感のある家をつくる方法を、建築実例とともに解説していきます。吹き抜けを作らずに開放的なリビングを作る工夫も紹介していきますので、ぜひご覧ください。
1. 開放感のある家をつくるにはリビングを工夫しよう
開放感のある家をつくるには、家族の集まるリビングを明るく開放的な空間に仕上げましょう。勾配天井・吹き抜け・中庭などを取り入れると、空間に広がりを持たせ採光を取り入れることで、室内を明るく見せることが可能です。
ここでは、リビングに開放感を出した実例を紹介します。
1-1. 勾配天井を取り入れた開放的なリビング
リビングに開放感を持たせるなら、勾配天井を取り入れてみてはいかがでしょう。屋根の形状を活かして、高さを確保した天井を勾配天井といいます。
勾配天井をつけるなら、メリハリをつけるとグッとおしゃれな空間に仕上がります。例えば、キッチン上部は天井を低く、家族が集まるリビング部分を高くするなどの工夫で、よりデザイン性の高い LDK が作れますよ。
写真は、 2 階リビングの一部を勾配天井にした事例です。大きな窓からたっぷりと光が差し込む開放的なリビングですね。
1-2. 吹き抜けを取り入れて開放感を出した LDK
開放的なリビングを作るには、吹き抜けを作るのはよく知られている手法です。吹き抜けは、本来であれば床や天井がある部分がなくなるため光を取り込みやすいという特徴があります。
住宅密集地などで家の広さが取れない場合でも、吹き抜けを採用することで広くて開放的な感覚が得られるでしょう。
また、事例のように吹き抜けのリビングに階段を設けるのもおすすめです。 2 階の子供部屋に行く前に必ずリビングを通るため、家族が自然と顔を合わせ、コミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
1-3. 浮遊感のあるスキップフロア
開放感を出すなら、スキップフロアを取り入れるのも一つの方法です。一つの部屋の中で、一部分の床の高さを変えることを、スキップフロアといいます。
写真は、リビングをダイニング部分とリビング部分で分け、段差をつけた事例です。スキップフロアは、 2 階建てでも 3 階建てのような広がりを感じられるでしょう。
極力柱がない空間に仕上げているため、まるでリビング部分が宙に浮いているような浮遊感を覚えます。また、階段や手すりのデザインが華奢であるため、圧迫感を感じません。
上部に取り付けられた天窓から光が差し込み、昼間は照明をつけなくても済むほど明るい空間が出来上がっています。家に帰ったらリビングに寝転んで、リラックスできそうな開放的なスキップフロアの住宅です。
1-4. 光を取り入れた開放的なリビング
開放的な印象を与えるには、素材選びも重要です。透過性があり光沢を持つガラスをふんだんに取り入れると、リビングに透明感や高級感をプラスできます。
写真は、 LDK の横にガラス張りの中庭を作った事例です。手前側がダイニング、廊下の先には吹き抜けのリビングが広がります。
壁で視界が遮られることがないため、リビングの向こう側の景色もみえる開放的な空間ですね。街並みの向こう側に夕焼けや朝焼けも楽しめる、アーバンスタイルなリビングです。
1-5. 中庭につながる LDK
敷地が建物に囲まれている場合は、中庭を作ってみてはいかがでしょうか。中庭があると、プライバシー性を保ちながら光を取り入れられ、風を通すことも可能です。
中庭の床タイルと LDK の床のデザインを揃えることで、まるで中庭も LDK の一部のように感じられますね。シンボリックな樹木が季節の変わり目を伝えてくれることでしょう。
晴れた日には中庭でお茶を楽しんだり、リクライニングチェアを置いて昼寝をしたり。リビングの延長として使える、開放感のある家です。
2. 吹き抜けなしで開放感のある家をつくる工夫
開放感のあるマイホームを作るときに、吹き抜けや勾配天井はよく用いられる設計デザイン手法です。しかし、吹き抜けや勾配天井を作ると、熱暖房効率が低下することや、部屋数が少なくなることをデメリットに思う人もいるかもしれません。
また、リノベーションや敷地面積の関係で、天井高を高くできないケースもあるでしょう。
建築のデザイン次第では、天井高を変えずに開放的な家が実現できます。ここでは、建築家の手がけた、吹き抜けのない開放的なリビングの家を紹介します。
2-1. 抜け感のある窓をつける
リビングを広々とした空間に感じさせるには、抜け感のある窓をつけてみてはいかがですか。リビングの壁に、大きなFIX窓をつけて視線の抜けを作った事例です。
さらに、ミニキッチンの後ろに背の高い鏡を取り付け、部屋が広く見える手法を施していますね。
また、部屋の凸凹を極力減らし水平垂直のラインを保つことも、部屋を広く見せる手法の一つです。本来であれば、外側に突き出る形のエアコンや換気扇を壁内に配置すると、ご覧のように天井周辺がシンプルな形状に。
ロールスクリーンも壁際の天井内に設置することで、スッキリとしたデザインが叶っています。細部のデザインにこだわることで、部屋全体が洗練された印象を持つリビングです。
深く腰掛けられるソファから、広々とした庭をたっぷりと眺めたら身も心もリラックスした週末を過ごせそうですね。
2-2. ダウンフロアを取り入れる
開放感のあるリビングを作るには、ダウンフロアを取り入れるのも一つの方法です。床を一部分、掘り下げて低くすることをダウンフロアといいます。
ダウンフロアを取り入れると、床に座って生活することが基本となるため自然と視線が低くなり、広々とした感覚を得られるでしょう。
事例では床の段差を利用してソファを造り付けています。オリジナリティ溢れる空間で、子供も大人も過ごしやすい、明るく開放的なリビングです。
2-3. 間仕切りを工夫する
開放感を出すには、部屋を細かく分割しないこともポイントの一つです。間仕切りにデザインを加えたマンションのリノベーション事例を紹介します。
空間を仕切る壁を曲線にして上部を開放させることで、空間の広がりを感じますね。また、事例のように部屋にある要素をすべて同じ色で揃えるのも、部屋を広く見せる手法の一つです。柔らかな木目と優美な曲線が、優しい雰囲気を持つ LDK です。
3. 景色を取り入れて開放感のある家をつくる
家から川や海、山などの景色が望める場合は、ロケーションを利用して景色を屋内に取り入れる工夫をしてみましょう。遠くにある木々や山の風景を、庭の一部のように利用することを借景といいます。
ここでは、借景を利用して、家に開放感をプラスした事例を紹介します。
3-1. 海を眺める開放的な家
美しい海と山を一望できる方向に、大きなガラス窓を取り付けた事例です。リビングの一部を土間にして、海に向かう方向に一段低くなっているのも、広がりを感じられるポイントですね。
リビング階段はスケルトン、階段の手すりにも壁を設けず手すりとすることで、視線を遮ることがありません。海の側に建つという好条件を最大限に利用した、デザイン性の高い開放的な家です。
3-2. 川に向かって広がる開放感のある家
横長に風景を切り取るのも部屋が広く見えるコツです。この事例は、川に向かって広がる窓を持つ住宅です。
リビングの続きに広いウッドデッキをつけることで、リビングの続き間として屋外を楽しめる空間が出来上がっています。広がる窓からは自然光がたっぷりと差し込み、開放感を覚えます。
広いウッドデッキで、手軽にバーベキューや日光浴を楽しめそうですね。
4. 開放感のある家を建てるときの注意点
吹き抜けや勾配天井などは、開放感のある家をつくるときに用いられる手法ですが、壁や柱が少なくなることで耐震性や断熱性、防犯性が心配になる人もいることでしょう。設計上の注意点もしっかりと理解して、住宅を建てることは重要です。
ここでは、開放感のある家を建てるときの注意点を紹介します。
4-1. 断熱性を考慮する
開放感のある家に憧れるけれど、窓が増えると熱暖房効率が下がることを不安に思う人も多いでしょう。開放感を持ちながら、断熱性能を高めた事例を紹介します。
リビングの内側に建具をつけ、建具に囲まれた空気層をつくることで断熱性を高めています。この住宅の建具を開けた状態をみていきましょう。
ご覧のように大きな窓があり、たっぷりと光と風を取り入れられます。夏は建具を開け、リビングに風を通すことも可能です。窓際の床はスノコ状になっており、 1 階に光と風を通すデザインとしています。
冬は建具を閉めて暖かく、夏は開けて涼しく、季節にあわせて使い分けられる機能的なリビングですね。
4-2. 耐震性を検討する
地震大国である日本では、家族の安全を考えて、地震に強い家を建てたいと考える方も多くいらっしゃいます。「壁や天井の梁を少なくして開放感を出すと、住宅の耐震性が低下するのでは?」と心配される方も少なくありません。
結論から申しますと、開放性と耐震性の両立は、設計の工夫で実現可能です。もし不安に思うことがあれば、耐震等級などについて、設計者や施工業者と話し合っておきましょう。
また、鉄骨造や RC 造など、地震に強い構造を採用するという方法もあります。写真は、 RC 造の住まいで、一部をガラスブロックの壁とした事例です。ガラスブロックは、目地の間に鉄筋を配置するため、耐震性を保ちながら光を取り入れるには最適な素材だといえます。
豊富な経験を持つ建築家なら、さまざまなアイディアの中から、耐震性と開放性を両立させるプランを提案できるはずです。
4-3. プライバシーを確保する
開放感を得ようと、ガラス窓を増やすと防犯面やプライバシーの面で不安になる人も多いでしょう。外からの視界を遮るには、バルコニーを活用するという方法もあります。
写真は、リビングの外側に、壁の高いバルコニーを作った事例です。外壁とバルコニーの床は光を反射する白であるため、外側の光が緩やかにリビング内にまで届いていますね。
プライバシーを確保するには、他にも、中庭を作る、光を通しつつも視線を遮る素材を壁に取り付けるなど、さまざまな方法があります。どんな住まいにしたいかを、事前に建築家に伝えておくと、希望にあったプランで計画を進められるでしょう。
5. まとめ
開放感のある家を建てるには、リビングに光を取り入れ、室内を明るくするなどの方法があります。吹き抜けや勾配天井を取り入れる場合は、断熱性や耐震性との両立、プライバシーの確保を考えることもポイントです。
敷地や住まいの環境を最大限に利用しながら家に開放感を持たせるには、規格にとらわれずに柔軟に設計してくれる建築家に相談してみるのもよくある方法です。家に関する希望や悩み事は、建築家の持つさまざまなアイディアで解決できるかもしれません。
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後悔しない家づくりをするためには、プロの意見を一度は聞いてみることがオススメです。