【事例あり】建築家とつくる薪ストーブのある暮らし|メリット・デメリットを解説

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ぬくもりあふれる雰囲気が魅力の「薪ストーブ」。暖房器具としてのみならず、インテリアとしても大人気です。しかし憧れはあるものの、実際に取り入れる場合のイメージがつかないと悩んでいる人も多いかもしれません。

そこでこの記事では、建築家がデザインした薪ストーブのある家の実例 6 選と、薪ストーブがある暮らしのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

最後まで読み終わるころには、薪ストーブの真の魅力が理解できるとともに、実際に取り入れる具体的なイメージができるようになっているでしょう。

<目次>

  1. 1. 建築家がデザインした「薪ストーブがある家」 7 選
    1. 1-1. ダイナミックなデザインが魅力の薪ストーブ
    2. 1-2. リビングとダイニングの間に設計された薪ストーブ
    3. 1-3. 黒の薪ストーブが空間を引き締める家
    4. 1-4. 空間に合わせたスマートな薪ストーブ
    5. 1-5. 薪ストーブを設置したモダンリビング
    6. 1-6. 和モダンなリビングを暖める薪ストーブ
  2. 2. そもそも薪ストーブとは?
    1. 2-1. 暖炉との違い
  3. 3. 薪ストーブがある暮らしの魅力・メリット
    1. 3-1. おしゃれなインテリアとなる
    2. 3-2. 電気・ガスを使わないので災害時でも使える
    3. 3-3. 料理にも使える
    4. 3-4. 揺らめく炎でリラックス効果を得られる
    5. 3-5. 一般的な暖房機器よりもエコ
  4. 4. 薪ストーブがある暮らしの注意点・デメリット
    1. 4-1. 薪の調達・準備・管理が大変
    2. 4-2. 初期費用が高い
    3. 4-3. シーズンオフになったらメンテナンスが必要
    4. 4-4. 立地によっては近所迷惑になる可能性がある
  5. 5. 薪ストーブを設置したいなら、経験のある建築家を探そう
  6. 6. まとめ

1. 建築家がデザインした「薪ストーブがある家」 7 選

はじめに、建築家がデザインした「薪ストーブがある家」の実例を 6 選ご紹介しましょう。薪ストーブを部屋に設置したときのイメージを持てるようになるため、ぜひ参考にしてください。

1-1. ダイナミックなデザインが魅力の薪ストーブ

Hill Top House (建築家 : 田島 則行) の作品画像 Hill Top House (建築家 : 田島 則行) の作品画像 Hill Top House (建築家 : 田島 則行) の作品画像
Hill Top House 田島 則行 | テレデザイン一級建築士事務所

こちらは千葉県に建てられたとある別荘。吹き抜け設計となったおしゃれな構造の住宅ですが、写真の薪ストーブが部屋の隅々まで温かな空気を運んでくれます。

また薪ストーブの周囲の壁をレンガにすることで、レトロな印象を与えている点も大きな魅力。加えて左右には薪や小物を保管しておく棚も設けられていて機能性も抜群です。

1-2. リビングとダイニングの間に設計された薪ストーブ

牛久の家 | Ushiku house (建築家 : 八島正年 + 八島夕子) の作品画像 牛久の家 | Ushiku house (建築家 : 八島正年 + 八島夕子) の作品画像 牛久の家 | Ushiku house (建築家 : 八島正年 + 八島夕子) の作品画像
牛久の家 | Ushiku house 八島正年 + 八島夕子 | 八島建築設計事務所

茨城県に建てられたこちらの平屋住宅では、リビングとダイニングの間に薪ストーブを設計しています。一般的には部屋の角のほうに設置されるケースが多い薪ストーブですが、あえて部屋の中央に設計することで四方を同時に暖めてくれます。また邪魔になりにくいスタイリッシュなデザインの薪ストーブを選んでいる点も特徴です。

1-3. 黒の薪ストーブが空間を引き締める家

大島の住宅 (建築家 : 鴻野 吉宏) の作品画像 大島の住宅 (建築家 : 鴻野 吉宏) の作品画像 大島の住宅 (建築家 : 鴻野 吉宏) の作品画像
大島の住宅 鴻野 吉宏 | futuretank architects 一級建築士事務所

海に面していて自然を感じられるこちらの住宅は、全体的に淡い色合いで統一されています。そこにインテリアとしても活躍する黒の薪ストーブを配置することで、空間をキュッと引き締めています。

薪ストーブの前に置かれたソファに腰を掛ければ、揺らめく炎と海を同時に眺められて最高のリラックススペースとなるでしょう。

1-4. 空間に合わせたスマートな薪ストーブ

House in Yatsugatake (建築家 : 佐野 優子) の作品画像 House in Yatsugatake (建築家 : 佐野 優子) の作品画像 House in Yatsugatake (建築家 : 佐野 優子) の作品画像
House in Yatsugatake 佐野 優子 | PRIVATE建築設計事務所

美しい山々のパノラマビューを堪能できるこちらの別荘には、ゴージャスなリビングにマッチした、スマートなデザインの薪ストーブを設置しています。薪ストーブの横には次に入れる薪のストックを置くスペースも用意し、使いやすさを重視している点も嬉しいポイントです。

1-5. 薪ストーブを設置したモダンリビング

富士山を望む八ヶ岳の家 (建築家 : 佐野 優子) の作品画像 富士山を望む八ヶ岳の家 (建築家 : 佐野 優子) の作品画像 富士山を望む八ヶ岳の家 (建築家 : 佐野 優子) の作品画像
富士山を望む八ヶ岳の家 佐野 優子 | PRIVATE建築設計事務所

こちらの別邸では、テレビの横にコンパクトな薪ストーブを配置しています。部屋全体がシンプルモダンなスタイルにまとめられているため、薪ストーブも空間に溶け込む黒色をチョイス。暖かな室内で、家族揃ってリラックスした時間を過ごせるようになっています。

1-6. 和モダンなリビングを暖める薪ストーブ

城ヶ崎海岸の家 (建築家 : 石井 秀樹) の作品画像 城ヶ崎海岸の家 (建築家 : 石井 秀樹) の作品画像 城ヶ崎海岸の家 (建築家 : 石井 秀樹) の作品画像
城ヶ崎海岸の家 石井 秀樹 | 石井秀樹建築設計事務所株式会社

こちらは城ヶ崎の海岸付近に建てられた週末住宅です。ブラウンやホワイト、ブラックの色味で統一された和モダンリビングに、ブラックの薪ストーブを設置しています。

家族が食事するとき、少し離れたところからじんわりと暖かな空気を作り出してくれる薪ストーブは、この部屋のシンボルとしても活躍しています。

2. そもそも薪ストーブとは?

牛久の家 | Ushiku house (建築家 : 八島正年 + 八島夕子) の作品画像 牛久の家 | Ushiku house (建築家 : 八島正年 + 八島夕子) の作品画像 牛久の家 | Ushiku house (建築家 : 八島正年 + 八島夕子) の作品画像
牛久の家 | Ushiku house 八島正年 + 八島夕子 | 八島建築設計事務所

「薪ストーブ」とは、鋳鉄(ちゅうてつ)で造られた箱型の本体のなかで薪を燃やす暖房器具です。

薪ストーブ本体の小さな空気口を調節することで、燃焼に必要な量の空気の取り込みと、煙突からの排出も調整できる構造となっています。加えて薪ストーブの排気は煙突からのみとなるため、燃焼後の二酸化炭素を室内に排出することはありません。室内の空気をきれいな状態に保てるのも特徴です。

また薪ストーブのなかでも現在主流なのが「二次燃焼タイプ」です。二次燃焼タイプの薪ストーブは、薪を燃やして発生したススを再度燃やす仕組みです。通常の薪ストーブよりも 70 ~ 80 %のススを削減し、比較的クリーンな煙を排出できるようになっています。

2-1. 暖炉との違い

三笠の山荘|Mikasa Cottage (建築家 : 武富 恭美) の作品画像 三笠の山荘|Mikasa Cottage (建築家 : 武富 恭美) の作品画像 三笠の山荘|Mikasa Cottage (建築家 : 武富 恭美) の作品画像
三笠の山荘|Mikasa Cottage 武富 恭美 | d/dt Arch./ディーディーティー

薪ストーブと似たような暖房器具として「暖炉」がありますが、両者は以下の2点において大きく異なります。

  • 素材と構造
  • 室内の温まり方

薪ストーブは鋳鉄で造られた本体を、壁や床を熱から守るために炉台の上に置き、建物から離して設置します。一方で暖炉は、素材にレンガや石などが使われ、暖炉本体が建物の壁に埋め込まれる形で設置されているのが特徴的です。

また、室内の温まり方にも違いがあります。薪ストーブの素材は鉄であり、薪をくべる部分は扉で閉じられているため放射熱が発生します。この放射熱は遠方にまで熱を届ける性質を持つため、薪ストーブから離れたところでも温かさを感じられます。

一方で、レンガや石でできた暖炉は放射熱を発することはなく、炎から離れた場所では温かさを感じにくいのです。

薪ストーブは、暖炉の進化形にあたる後付け可能な暖房器具です。似たような印象を持つ薪ストーブと暖炉ですが、両者はまったく異なる特徴を持ちますので覚えておきましょう。

3. 薪ストーブがある暮らしの魅力・メリット

ここからは薪ストーブがある暮らしの魅力・メリットをご紹介します。見た目がおしゃれでなんとなく憧れていた人も、薪ストーブが持つ本当の魅力を理解できるでしょう。導入を検討している場合にはぜひ参考にしてみてください。

3-1. おしゃれなインテリアとなる

House in Yatsugatake (建築家 : 佐野 優子) の作品画像 House in Yatsugatake (建築家 : 佐野 優子) の作品画像 House in Yatsugatake (建築家 : 佐野 優子) の作品画像
House in Yatsugatake 佐野 優子 | PRIVATE建築設計事務所

薪ストーブ独特の重厚な佇まいは、室内に置くだけでおしゃれなインテリアとなります

メーカーによって、どこか懐かしい雰囲気を感じられるレトロなデザインや、モダンな空間にもピッタリな小型でスタイリッシュなデザインなど、さまざまなデザインがあるのも魅力です。作りたい室内に合わせて、理想のデザインを選べるでしょう。

薪ストーブは暖房器具としてのみならず、魅力的なインテリアとしておしゃれな室内に仕上げてくれるのです。

3-2. 電気・ガスを使わないので災害時でも使える

薪を燃やして暖を取る仕組みである薪ストーブは、電気・ガスを使いません。そのため災害時でも使えるのは大きなメリットといえるでしょう。

冬の災害時に電気やガスが止まってしまった場合、寒さをしのぐのは非常に大変です。しかし薪ストーブがあればすぐに暖を取れるうえに、ストーブの上で料理も可能です。さらにお風呂に入れない状態でも、薪ストーブで温めたお湯を使って身体を拭くこともできます。

万が一の事態でもさまざまな使い方ができる薪ストーブは重宝するでしょう。加えて電気・ガスを使わない分、電気代とガス代の節約にもつながります。

3-3. 料理にも使える

大島の住宅 (建築家 : 鴻野 吉宏) の作品画像 大島の住宅 (建築家 : 鴻野 吉宏) の作品画像 大島の住宅 (建築家 : 鴻野 吉宏) の作品画像
大島の住宅 鴻野 吉宏 | futuretank architects 一級建築士事務所

先にも述べたように、料理ができる点も薪ストーブの魅力です。コンロがひとつ増えたような感覚で料理を楽しめるでしょう。

たとえばストーブ本体の上に鍋を置けば、長時間の煮込み料理が可能です。またパンを乗せて焼けばこんがりサクサクの食感を楽しめますし、アルミホイルで包んだサツマイモを乗せれば焼き芋が手軽に作れます。慣れてくればピザを焼いてパーティーもできるでしょう。

このように薪ストーブがあれば料理の幅が広がります。さらに使い方によっては、お子さまと一緒に料理を楽しめるのも魅力です。

3-4. 揺らめく炎でリラックス効果を得られる

薪ストーブ内で揺らめく炎を見ていると、自然と気持ちが安らぎリラックス効果を得られます

炎を見ることで得られるリラックス効果には、炎の光や音、振動などに含まれる特別なリズムが関係しており、科学的根拠が存在します。この特別なリズムは、人間が本来持つリズムと同じであるため、本能的に安らぎを感じられるといわれているのです。

家族と一緒に、ゆっくりと心を落ち着かせる時間を過ごしてみるのはいかがでしょうか。

3-5. 一般的な暖房機器よりもエコ

富士山を望む八ヶ岳の家 (建築家 : 佐野 優子) の作品画像 富士山を望む八ヶ岳の家 (建築家 : 佐野 優子) の作品画像 富士山を望む八ヶ岳の家 (建築家 : 佐野 優子) の作品画像
富士山を望む八ヶ岳の家 佐野 優子 | PRIVATE建築設計事務所

薪ストーブは、一般的に使われる石油ストーブなどに比べて環境に優しい暖房器具です。

薪を燃やすと二酸化炭素が発生しますが、この二酸化炭素は木が成長するときに吸収され、酸素として吐き出されます。こうして酸素と二酸化炭素が循環するサイクル、いわゆる「カーボンニュートラル」ができているのです。

一方で石油などの化石燃料は、燃やすと大量の二酸化炭素を排出するうえに、一度使ってしまうと再生はできません。

このようなことから薪ストーブは、石油ストーブなどと比べて環境に優しい暖房器具といわれています。身近な暖房器具から、地球環境を考えたエコな暮らしを実現してみてはいかがでしょうか。

4. 薪ストーブがある暮らしの注意点・デメリット

次に、薪ストーブの注意点・デメリットも確認しておきましょう。事前にデメリットを理解しておくと、設置後に後悔することもないでしょう。

4-1. 薪の調達・準備・管理が大変

まず薪ストーブ最大のデメリットといえば、燃料となる薪の「調達」「準備」「管理」です。

薪の調達方法としては、「購入」「自分で伐採」「譲ってもらう」などの方法があります。このうち一般的な方法である薪の購入を検討している場合には、ホームセンターやネット通販、キャンプ場などで探してみてください。

また薪ストーブのみで冬を乗り切るのであれば、相当な量の薪が必要となるため、大量の薪を管理しておくスペースも必要です。

そして、自分で伐採したり譲ってもらったりする場合には、薪を乾燥させる期間にも注意しなければなりません。薪が燃料として理想的な水分量になるまでには、約2年もの歳月が必要といわれています。

すでに乾燥している薪を購入する分には問題ありませんが、自力で調達する場合は時間に余裕をもって準備をしましょう。

このように非常に労力の必要な薪の調達・準備・管理ですが、これも薪ストーブを使う醍醐味です。こうした地道な苦労を経験して堪能する薪ストーブの温かな炎は、格別な雰囲気を演出してくれます。

4-2. 初期費用が高い

電気代・ガス代がかからないメリットがある薪ストーブですが、導入時の初期費用が高くなってしまう点はデメリットです。

メーカーなどによっても異なりますが、本体だけで約 20 ~ 40 万円はかかると想定しましょう。また調理機能を重視したものや、デザイン性にこだわった薪ストーブは50万円以上するものもあります。

薪ストーブは実際に火を起こして使うものなので、安全性・耐火性には気をつけて選ばなければなりません。価格も大切な指標となりますが、それ以上に性能をしっかり確認したうえで選びましょう。

4-3. シーズンオフになったらメンテナンスが必要

薪ストーブは、夏などの使わない季節にメンテナンスしなければならないところも難点です。

メンテナンスでまずやるべきことは「灰の処理」です。オンシーズン中は常に 2 ~ 3 cm の灰があったほうがいいとされていますが、オフシーズンになったら先延ばしせずにすぐに灰を取り除きましょう。灰が残っていると空気中の湿気を吸収し、サビの原因となってしまうためです。

灰を取り除いたら、ストーブ本体に補修の必要性がないかどうかを点検します。破損などが見つかった場合は早めに修理に出し、次のシーズンに備えましょう。

薪ストーブを良い状態で維持するには、毎年きちんとメンテナンスをする必要があるのです。

4-4. 立地によっては近所迷惑になる可能性がある

薪ストーブを利用すると、どうしても煙とニオイが発生してしまうため、立地によっては近所迷惑になる可能性があります。

たとえば家同士の距離が近い場合、洗濯物に煙が付着したり窓を開けているといぶったようなニオイがしたりと、ご近所トラブルに発展するケースも少なくありません。

この対策としては、設置を始める前に近所の人に了承を取っておくか、迷惑にならないように建築家と相談しながらうまく設計してもらうようにしましょう。

5. 薪ストーブを設置したいなら、経験のある建築家を探そう

Hill Top House (建築家 : 田島 則行) の作品画像 Hill Top House (建築家 : 田島 則行) の作品画像 Hill Top House (建築家 : 田島 則行) の作品画像
Hill Top House 田島 則行 | テレデザイン一級建築士事務所

薪ストーブを設置するなら、実際に薪ストーブを導入した住宅設計の経験がある建築家に依頼しましょう。なぜなら薪ストーブは、設置するにあたっての注意点が非常に多いためです。

経験のない建築家やハウスメーカーに依頼してしまうと、隣近所に煙が流れて迷惑を掛けたり、壁や天井の穴をうまく開けられなかったりと不具合が発生する可能性が高くなってしまいます。

薪ストーブはメリットが豊富な分、設計時に注意しなければならない点も多いため、家族にとってはもちろんのこと、隣近所に配慮した設計ができる建築士に依頼をすると安心でしょう。

6. まとめ

薪ストーブは、リビングの印象を格段にアップさせるだけではなく、料理ができたり環境に優しかったりとさまざまな魅力がある暖房器具です。しかし設計時に注意すべき点は多く、一歩間違えればご近所トラブルの原因にもなりかねません。

そのため経験のある建築家に依頼することで後悔のない家づくりが叶います。建築家と一緒に、柔らかくて温かな炎のある素敵な家を作りましょう。

「 titel(タイテル)」には、薪ストーブや暖炉を組み込んだ住宅をデザインした経験のある建築家も登録しています。「家に薪ストーブや暖炉をつけたい」と考えているお客さまに無料で建築家をご紹介できますので、タイテルまでお気軽にご相談ください。