おしゃれな平屋はどうすればできる?内装や外観の実例とプランの秘訣を紹介
平屋は一歩間違えると、平凡で味気ない住まいになる恐れがあります。そうした失敗を防ぐには、おしゃれな平屋の事例をたくさん見て、さらに気をつけたいポイントを知ることが大切です。
ここではスタイリッシュな平家の実例と、おしゃれにするためのポイントを具体的に解説します。読むと「建てて良かった」と思える平屋を実現できるようになります。
1. 平屋とはどんな家か
平屋は1階のみで作られた建物で階段がなく、2階建てなら上にある部屋がすべて1階に置かれます。階段の上り下りがないため、これまで歳を取ったときに安全で楽なことが注目されてきました。しかし現在は、次にお伝えするたくさんのメリットを持つ家として、幅広い年齢の方に注目されています。
2. 平屋のメリット
平屋には2階建てにはない、たくさんのメリットがあります。改めてその魅力を確かめ、おしゃれでありながら住み心地の良い平屋を作りましょう。
2-1. からだに負担が少なく安全
平屋はからだへの負担が少なく、安全に過ごせる住まいです。疲れる階段の上り下りがなく、横に移動するだけで生活できるからです。これは歳を取ったときだけでなく、若くても仕事で疲れていたり体調が悪かったりするときにとても助かります。
また小さなお子さんがいても、階段から落ちる心配がありません。バリアフリーな平屋は将来だけでなく、住み始めから家族全員に優しいのです。
2-2. 家事が楽にできる
平屋では家事を楽に、しかも短時間でこなせます。これはキッチンや洗濯機、洗濯物を干すところなどが同じ階にあるからです。例えば料理をしながら洗濯物を干すのも、短い移動で手際よくこなせます。
しかも干す場所は1階なので、重い洗濯物を2階まで運ぶ必要がありません。掃除でも重い掃除機を持って2階に上がることがなく、楽に素早く終わらせることができます。
2-3. コミュニケーションを取りやすい
平屋は家族とコミュニケーションが取りやすくなります。リビングと子供部屋やワークスペースが同じ階にあるため、家族と顔を合わせたり声をかけたりしやすいからです。
顔を合わせる機会が多ければ、自然と会話が生まれます。またお子さんの体調や顔色の変化に気付きやすくもなります。自分の部屋に入ってしまうと様子がわかりにくくなる、2階建てとは大きな違いです。
2-4. プランの制限が少ない
平屋は間取りや外観の制限が少ない建物です。2階建てのように、上の階を支えるための壁や柱を余計に取る必要がないからです。そのため南側をすべてが窓にしたり、壁を最小限にした大空間を作ったりしやすくなります。
また外観も2階の大きさや形に左右されないため、自由な発想でおしゃれなデザインにしやしすくなっています。
2-5. メンテナンスコストが抑えられる
平屋は将来のメンテナンスコストを抑えられる良さがあります。2階がないため屋根や外壁などの補修のときに、足場や高所作業の費用が少なくて済みます。
特に3階建て以上になると、エアコンを交換するだけでも費用が高めになることがあります。将来のメンテナンスコストを抑えるなら、平屋はとてもメリットのある形なのです。
3. 平屋のデメリットと対策
次に平屋で気をつけたいデメリットをお伝えします。どんな物にもデメリットはありますが、大切なのはその対策を知っているかどうかです。一緒にお伝えする解決法を参考に、デメリットを解消してより満足できる平屋にしましょう。
3-1. 敷地の広さが必要
平屋は部屋がすべて1階にあるため、2階建てに比べ広めの敷地が必要です。もし限られた広さで平屋を建てるなら、できるだけコンパクトで効率よく生活できる間取りにしなければなりません。
例えば廊下やホールのような「無くても支障がない部分」を省くと、面積を抑えながら使いやすい平屋になります。また軒の少ない外観にすると、敷地に対してより大きく建物を取れるようになります。
3-2. 坪単価は高め
平屋は1坪当たりの価格である坪単価が高めです。一般的な2階建ての建物に比べ、平屋はコストのかかる屋根や基礎の面積が多くなるからです。
しかし平屋は階段やそのまわりのホールがないため、同じ部屋数の2階建てより総面積は小さくなることがあります。すると平屋の高い坪単価をかけても、総額は2階建てとあまり変わらなくなります。平屋を検討するときは坪単価ではなく、総額で考えることが大切です。
3-3. 日当たりや風通しに注意
幅が狭い敷地に平屋を建てると、建物の裏側にまわる部屋が多くなります。するとその部屋は窓が少なく、日当たりや風通しが取りにくくなることがあります。
そのようなときは建物の形をコの字やL字にして、窓をたくさん取れるようにしてみましょう。さらに天井に窓を作ったり、吹き抜けにして高窓を付けたりするのもおすすめです。
4. おしゃれな平屋の内装と間取り 4 選
ここからは、おしゃれでスタイリッシュな内装・間取りの平屋を 4 つ紹介します。どんなところを工夫してプランニングしたのか、そのポイントも解説していますので平屋を作るときの参考にしてください。
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4-1. シンプルさと明るさで開放感を実現
平屋ならではの広々としたリビングを、シンプルにデザインすることでさらに明るく開放的にしています。壁紙や床、照明はあえて控えめにし、キッチンカラーや中央のペンダントライトでさりげなくアクセントを加えています。
4-2. ウッド調の内装と中庭でナチュラルな空間に
ウッド調の天井や窓枠、木目を活かした床で、ナチュラルで癒やされる内装に仕上げています。さらに目の前の中庭を眺めるワイドな窓との組み合わせで、まるで森の中に住んでいるような素敵な気分になります。
4-3. 上質な和モダンリビングでくつろぐ
照明の光量を抑え、さらに暖色系にすることで心安らぐ落ち着いた内装になっています。また窓の内側に障子をはめ込み、和のテイストを程よく取り込んでいるのもポイントです。薪ストーブの炎も加わって、上質な和モダンリビングを実現しています。
4-4. スタイリッシュなロフトアパート風の内装
個性的な内壁やキッチンで、スタイリッシュさを演出しています。さらに、あえて換気扇のダクトや天井の骨組みを見せ、NYでアーティストに人気のロフトアパートのような雰囲気に。より都会的なテイストにするなら、ぜひ参考にしたいアイディアです。
5. おしゃれな平屋の外観実例3選
平屋は2階がないため、漠然とデザインすると単調な外観になってしまうことがあります。しかし次から紹介する実例のようにポイントしっかり押さえれば、シンプルでもおしゃれな平屋にすることができます。
5-1. 白い外壁が周囲と調和しておしゃれに
シンプルな色と形でありながら、十分にスタイリッシュな平屋になっています。ポイントはまわりの景色を計算してデザインしていることです。まわりが深い緑だからこそ白一色の外壁が、自然の多い景色だからこそ四角い人工的な形が映えるのです。
5-2. 素材感のある外壁で優しさもプラス
ほとんど凹凸のないデザインながら、素材感のある外壁でおしゃれさを引き出しています。デザイン性の強い外壁は、フラット面に使うと重たく感じてしまうことがあります。そこでこの平屋では、あえて色むらのある木目を選ぶことで優しさを出しているのです。
5-3. シンプルな大屋根が平屋を際立たせる
奥から手前に大きく張り出した大屋根が、シンプルな形の住まいを際立つ存在に変えています。濃色を屋根や外壁に使っても、重過ぎに見えない絶妙な配色バランスが見事です。また見落としがちですが、庭の草花や鮮やかな芝が建物にさわやかさをプラスしています。
6. おしゃれな平屋にする実践テクニック
ここからは平屋をおしゃれにする具体的なテクニックを、「間取り」「外観」「内装」の3つに分けて紹介します。ぜひご自分の建物に取り入れて、ワンランク上の平屋を実現してください。
6-1. 平屋に取り入れやすいおしゃれな間取り
おしゃれな間取りの平屋にするなら、他の建物ではあまり見ないプランを取り入れてみましょう。特に次に紹介するプランは平屋に取り入れやすく、しかも実用性や住み心地を良くしてくれます。
ロフト
ロフトは廊下や収納の上の、屋根裏を部屋にする間取りです。そのロフトを下から見えるように作ると、壁面に変化が生まれおしゃれな平屋になります。さらにデザイン性を高めるなら、下から見えるロフトの天井の仕上げや、照明を凝ったデザインにするのも良いでしょう。
吹き抜け
平屋での吹き抜けは、屋根の形にそった勾配天井になります。勾配天井は部屋全体を開放的で、おしゃれな空間に変えてくれます。よりスタイリッシュにするなら、天井面の仕上げや照明にこだわってみましょう。またあえて骨組みを見えるようにして、変化を付けるのもおすすめです。
中庭
中庭を作り植木などもデザインの一部にすれば、よりスタイリッシュな平屋にすることができます。窓からの景色が楽しめ、お客様を招いたときに目を引くこと間違いなしです。また建物の形がコの字やL字になるため、外観にも変化が生まれます。
インナーガレージ
建物の中に駐車スペースを作るインナーガレージは、平屋ととても相性の良いプランです。平屋は上の階がないため、開口の大きなガレージが取りやすいからです。また屋根裏を吹き抜けにすれば、開放的でひと味違うガレージになります。
6-2. 外観をおしゃれにする3つのポイント
おしゃれな外観の平屋にするなら、「屋根」「外壁」「形」がとても大切です。それぞれでおしゃれにすべきポイントを、実例とともに紹介します。
屋根
屋根は平屋の外観をおしゃれにする重要なパーツです。より個性的でかっこいい屋根にするなら、急傾斜にしたり逆に浅い傾斜にしたり、一つの面を大きくしたりするとスタイリッシュになります。また大胆な色使いや異素材にするとより目を引きます。
外壁
家を実際に目の前にすると、屋根よりも外壁の方がたくさん目に入ります。このため外壁を丁寧に選ぶことが、おしゃれな平屋につながります。外壁を選ぶときは色だけでなく、素材にもぜひ注目しましょう。木調や塗り壁、タイルやスチールなど、さまざまな素材を幅広く検討してみてください。
形
おしゃれな形の平屋にするなら、おしゃれな形の平屋を設計した建築家に頼むのが一番の近道です。建物の形は間取りとお互いに影響しあいます。そのため形を優先し過ぎると、使いにくい間取りになることがあります。それぞれをバランス良く作るには、平屋の設計実績が豊富な建築家を探すことがとても大切です。
6-3. おしゃれな内装を実現するには?
毎日目にする内装は、しっかりとコーディネートして納得いくものにしたいところです。そこでおしゃれな内装にするため、押さえておきたい2つのポイントを紹介します。
色選びの基本
内装の色は、ベースカラー70%、メインカラー25%、アクセントカラー5%の黄金比を基本に選びましょう。ベースカラーは床や壁の色で控えめに、メインカラーは主役の色でソファーやカーテンなどにお好みで、アクセントカラーはワンポイントに小物や観葉植物でプラスします。この基本を守るとバランスの良いおしゃれな内装になります。
シンプルデザイン
「実は好みの内装イメージがはっきりしていない」という方も多いと思います。そんなときは、内装をシンプルに仕上げることをおすすめします。シンプルな床や壁紙、照明などにしておけば、後から好みを考えじっくり仕上げることができます。また気分を変えたくなったら、かんたんにイメージチェンジできる良さもあります。
7. まとめ
平屋をおしゃれにするには、どこに気をつけたら良いかを知ったうえで考えることが大切です。特に今回お伝えしたポイントはお客様でもチェックしやすい部分なので、ぜひ自分たちの住まいに取り入れてみてください。
ただそれぞれをバランス良く組み合わせたおしゃれな平屋を作るには、やはり経験にもとづいた専門家の設計力が必要です。タイテルであればおしゃれな平屋を設計できる建築家を紹介 できますので、興味のある方はぜひご相談ください。
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後悔しない家づくりをするためには、プロの意見を一度は聞いてみることがオススメです。