東大寺学園高等学校開設50周年を記念して、中学棟、高校棟に挟まれた部分に増築した食堂兼多目的ホールと中庭の計画である。
かつての東大寺学園は、国宝東大寺南大門の西隣に寺子屋の雰囲気を残して建っていた。その立地故に校庭は狭かったが、生徒が集い交わる辻空間、広場としても機能していた。
「自由な校風のもと上下級生の隔てなく生徒達が自由に交流できる場」を1986年に移転した新キャンパスに復活させるべく、上下級生が触れ合うことができるように中学棟、高校棟から中庭に直接アクセスできる出入口を設け、ホールおよび中庭全体を回遊できる動線を計画した。屋上およびサンクンガーデンに配したベンチや大階段は生徒達が談笑し、交流する場となる。
食堂としてだけでなく集会等多目的に利用可能なホールは、放課後には自習室として開放される。
DATA
所在地: 奈良市山陵町
主要用途: 中学校・高等学校 ホールおよび中庭
構造・構法: 鉄筋コンクリート造
階数: 1階
敷地面積: 61,644.23m2
建築面積: 618.07m2(増築部)
延床面積: 1,650m2(外構含む)
設計担当: 武富恭美、橋本博敬
構造設計: KAP
設備設計: リサーチアンドデザイン
施工会社: 中村建設
撮影: 小川重雄(舞台風景3枚を除く)
竣工: 2015年3月
備考: ランドスケープデザイン:E-DESIGN