モミジ、カラマツなどの樹木が生え、また苔に覆われた敷地は南西に向かって緩やかに傾斜しており、その方向に離山を望むことができる。焼杉板の外壁で「の」の字を描き、その上に敷地の傾斜に沿った一枚の屋根を架けた。庭へ向かって開かれた部分は大きな窓によって庭と連続した、リビングを中心としたパブリックゾーンである。吹抜け上部にはライブラリーが吊られ、離山を望むとともに、庭を見下ろすことができる。焼杉板の外壁に沿って階段を上っていくと、寝室、浴室などプライベート空間を納めた「の」の字の閉じた部分に至る。この部分はV字型の木製柱によってツリーハウスのように空中に持ち上げられ、下部はピロティとなって南北の庭がつながっている。
DATA
所在地: 長野県北佐久郡軽井沢町
主要用途: 別荘
構造・構法: 木造
階数: 地上2階
敷地面積: 997.70m2
建築面積: 88.01m2
延床面積: 107.70m2
設計担当: 武富恭美
構造設計: 山崎亨構造設計事務所
設備設計: 高山浩・平井孝典
施工会社: 相崎工務店
撮影: 宮本敬文 / Keibun Miyamoto
竣工: 2008年5月