山形に拠点を置くじゅうたんブランド「山形緞通」のための東京オフィスと、ブランド初となるショールームの内装計画を手掛けた。敷地は東京小伝馬町にある築約60年のビルの1階と地下1階に位置する。青木淳氏の設計で”TARO NASU Gallery”として改修されて以来、現在に至るまでギャラリーとしての機能を残していたため、改修当初の状態を生かす計画とした。
ファサードにはショーウィンドウを設け、フレーミングされたじゅうたんが道行く人の目を引く。1階はオフィスと通路状のギャラリーで構成し、ギャラリーには山形緞通が手掛けてきたプロジェクトのサンプルを展示している。
鉄骨階段で地下1階へと足を運ぶと、天井高を活かしワンフロア全体を使った広々としたショールームが広がる。大型のじゅうたんを壁に掛けても余白のある空間で、一枚一枚を丁寧に見せることができる。
中央にはじゅうたんを敷いて、スタイリング出来るフローリング張りのステージを設けた。来客が縁側のように腰掛け、使用状況に近い環境でじゅうたんをじっくり検討することができる。また、側面に設けられた引き出しは、じゅうたんをディスプレイすることもできる。
トラフが山形緞通と共同開発した、無地のじゅうたんコレクション”MANYO”が、ショールームのオープンに合わせて発表され、ブランドの新たな一歩を象徴する。さまざまな人が山形緞通のじゅうたんに触れ、体験し、絵画のようにも楽しめる空間を目指した。
主要用途: オフィス・ショールーム
施工: イシマル
クレジット: 照明計画:遠藤照明
所在・会場: 東京
延床面積: 225m2
設計期間: 2020.06-08
施工期間: 2020.08-09
写真: 小川真輝
ウェブサイト: https://yamagatadantsu.co.jp/