日本科学未来館の企画展「GAME ON ~ゲームってなんでおもしろい?~」の空間構成。
同展は、英・バービカン・センターによる、テレビゲームの進化を一望する世界巡回の展覧会で日本初上陸となる。ゲームのおもしろさの解明を新たなテーマに掲げ、プレイ可能な実機展示による楽しさとともに、ゲームの社会的、文化的な意味についても問いかける内容となっている。
「スペースインベーダー」などアーケードゲーム機から、家庭用ゲーム機、未来のゲームなどのカテゴリーを8つのステージに分け、ゲームの進化に沿って順を追った体験ができつつも、自由な動線を許容する空間を求められた。
アーチ状のゲートを抜けると、大きな展示空間が広がっている。中央のメイン通路の両脇には、高さ6メートルのカーテンで仕切られた8つのステージを配置した。アルミをラミネートしたメタリックな全4色の特注カーテンは、ゲーム画面の鮮やかな光を映しこみ、またドレープ加工を施すことで陰影を際立たせた。通路の先には、巨大な階段状のシンボルオブジェが、白く発光しているように鎮座し、来館者がシルエットとなって浮かび上がる。オーバースケールの多層カーテンや階段状のオブジェが、ゲームの中の神殿を思わせる没入感と、ゲームでステージをクリアしていくような高揚感とを来館者に与えられるよう考えた。
モニターなどの色彩豊かで大小様々な展示物の背景として、シンボリックな強度を持った展示空間を目指した。
主要用途: 展示会場構成
施工: つむら工芸
クレジット: 主催:日本科学未来館、フジテレビジョン、角川アスキー総合研究所、企画協力: バービカン・インターナショナル・エンタープライズ、クリエイティブアドバイザー:伊藤ガビン(ボストーク)、展示制作ディレクター:乾義和(ボストーク)、アートディレクション&デザイン:米山菜津子、展示テキスタルデザイン:安東陽子
所在・会場: 日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン
延床面積: 1502m2
設計期間: 2015.10-2016.02
施工期間: 2016.02
会期: 2016.3.2-2016.5.30
写真: 阿野太一