電通デジタル・ホールディングスグループの移転、統合に伴い、前回に引き続き、電通レイザーフィッシュの新オフィスの内装を手がけた。グループ会社間や社内、その部署間などそれぞれに“つながり”を感じられる空間が求められた。
銀座歌舞伎座に近い、オフィスビルの6フロアにグループ会社5社が入居する。電通レイザーフィッシュのオフィスは、3Fに個室の会議室をまとめ、4Fには執務スペースのほか簡単な会議ができるスペースやリフレッシュスペースなどを配置した。各社共通の意匠として、エレベーターホールによって分かれる南北のスペースにつながりを感じさせるため、コーポレートカラーに塗られたトンネル状の空間とカーペットが両者を横断する。 南北両端の最も眺望が良い場所には、機能や雰囲気の異なるリフレッシュスペースをそれぞれ配置し、人の流れから社内交流が活発に行われるよう計画した。コア側の壁沿いには集中ブースやクローク、コピー機など諸機能を配置する。執務スペースに点在する、機能ごとにサイズや色の異なるコの字型のパーティションが、街の風景を思わせる。また、壁面に大きく描かれたイラストは立地にちなんだもので、オフィス全体に賑やかな印象を与えている。
築地側のフリースペースは屋外のイメージで、組み替えが可能な大きなテーブル、集中するためのデスクを配置し、用途に応じて自由に使える空間とした。銀座側には、前オフィスから転用した石巻工房の家具をデッキ上に置き、木の香りに満ちた落ち着きを与えている。
デッキ中央には、オフィスのシンボルとして、遠くからでも認識できる巨大AAスツールを配置し、カフェとして機能することで、人が集まる場所が生まれている。
主要用途: オフィス
施工: 大成建設/石巻工房/E&Y
クレジット: 共同設計:ザ・デザイン・スタジオ/マウンテンハウスアーキテクツ/壁面イラスト:竹内俊太郎/植栽:SOLSO/家具:伊千呂、ハーマンミラー
所在・会場: 東京 東銀座
延床面積: 3F: 300m2/4F: 1600m2
設計期間: 2014.01-10
施工期間: 2014.08-10
写真: 阿野太一
ウェブサイト: http://www.dentsu-razorfish.com/