ジャックラッセルテリアは、犬種改良によって狩猟犬からペットとしての温厚な素質をもつようになった犬です。 人間のパートナーとしての素質をもつこの犬のお気に入りの場所を観察してみると、飼い主の洋服の上が大好きなようです。その匂いと布のさわり心地は、犬をとても安心させます。そこで、飼い主の洋服が居場所をつくるような家具を考えました。
布の伸び縮みを利用して、木のフレームにかぶせた飼い主の古着がハンモックのように犬の体を包みます。夏には風通しの良い服、冬は厚手の服と、季節にあわせて衣替えもできます。フレームはDIYのレベルにあわせて、合板、デッキ材の二種類、それぞれの作り方を考えました。どちらのフレームもソファに座る飼い主が手をのばせば自然に犬と触れ合うことができ、犬との距離をより近づけます。
ワンモックは、人間と犬の心地よい関係を生みだす、誰もが作れる「犬のための建築」です。
(※”ワンモック”という名前は、日本語の犬の鳴き声である「ワン」と、この作品の特徴である「ハンモック」をかけあわせた名前です)
主要用途: プロダクト
製作: イノウエインダストリィズ
クレジット: 監修:原研哉+日本デザインセンター原デザイン研究所
素材: type A/シナ合板、type B/SPF1×4デッキ材
サイズ: type A/W546×D731×H398、type B/W510×D731×H398
設計期間: 2012.06-08
製作期間: 2012.08-09
写真: 与田弘志
ウェブサイト: http://architecturefordogs.com/