寺田倉庫の本社移転計画。オフィス運用の新しい試みとして、ペーパーストックレス化し、またデスクはフリーアドレスとした。社員全員が同じ空間を共有し、最大のコミュニケーション環境をつくりだすオフィスが求められた。
一人あたり段ボール一箱分の荷物を収容するロッカーと、ラーチ合板のステージを空間中央に配置する。このステージがメインエントランスからロッカー、執務スペースへの自然な動線の流れをつくりながら、各デスクから等距離にあることで、社員間で情報を共有するサロンスペースとしても機能する。
フリーアドレスの執務スペースは、11mの長いデスク、小学校の机のような可動デスク、運河を眺める窓際のハイカウンター、有孔ボードでかこまれた防音スペース、とバリエーションをもち、気分によって働く場所を選べる楽しさをつくっている。空いているスペースをクリエイティヴに使うことで、「スペースを創る」という同社の精神とも呼応する。
執務スペースからエントランス方向を見返すと、壁面全体に配された社名のグラフィックサインが、各スペースとそこで働く人たちを、一つにつなぎとめている。
主要用途: オフィス
設備設計: 遠藤照明(照明)
施工: イシマル/E&Y/内田洋行/タウンサービス
クレジット: グラフィック:TAKAIYAMA inc./ファブリック:安東陽子/植栽:小路苑
所在・会場: 東京 品川
延床面積: 530m2
設計期間: 2012.04-05
施工期間: 2012.05-06
写真: 阿野太一