今年で25周年を迎えるオーストラリアのスキンケアブランド、イソップの横浜ベイクォーター店の内装計画。同時オープンする新丸ビル店と併せて計画を行った。
手入れをすることで健やかな肌を活かすというイソップのスキンケアプロダクトの特徴に着目し、丁寧に磨き上げ染色をすることで素材感を活かしたOSB板(構造用木質ボード)を、2店舗共通の仕上げ材として空間全体に使用した。通常は下地材として用いられ、ラフな印象を持つOSBは、石材のように表情を変え、特徴的な質感を空間に与えている。
横浜ベイクォーター店では、入店する区画の周辺環境が賑やかな場所であったため、既存のファサードを濃い緑色に塗装することで強調し、周囲との差別化を図る。それに対して店内では、淡い緑色を壁面に施し、白染色したOSBを使用するなど、柔らかい表情を持たせた。新丸ビル店よりもファミリー層が多いため、居心地の良さも重視した計画としている。
店舗前方にカウンターを独立させて配置することで、商品に導かれて入店した人々が店内を回遊するような導線をつくり出す。カウンターは、小さな店内を効率よく使うために、ショップスタッフの作業を吟味し、必要な機能をすべて内蔵したシンプルで浮遊感を持つ箱型とした。この箱は、必要によって様々な部分が開かれ、作業が終わればまた元のシンプルな箱に戻る。大型商業施設内においても、イソップのブランドイメージが明確に伝わるような店舗を目指した。
主要用途: 物販店舗
施工: イシマル
クレジット: グラフィック:イソップ
所在・会場: 神奈川 横浜べークォーターANNEX
延床面積: 23.27m2
設計期間: 2012.02-06
施工期間: 2012.06
写真: 太田拓実
ウェブサイト: http://www.aesop.com/