東京都西部郊外、幹線道路につながる交通量の多い道と住宅地に入っていく生活道路に面した角地に建つ、夫婦とこども、3人家族の住まいである。
全体は2.5層のヴォリュームを確保して1階にリビングと水回りを配置し、空中に寝室やワークスペース、こども室などを高さをずらして床をかけ、それらを階段で繋ぐ構成である。
将来的に親との同居の可能性もあるため、リビングの吹き抜けにつながるオープンなワークスペースを介して寝室とこども室を配置することで室同士は小さな空間の中でも独立性を確保している。
交通量の多い道路との間には建物と一体的にプランター状の庭を設けて1階の内部空間との間のバッファーとし、一方でアプローチ側の落ち着いた生活道路からはその庭に入れるように門扉を設けている。
夫は料理家であるため、将来少人数の客を招き入れられる店を開いたり、テイクアウトのお弁当を出せるようしたいとの希望があった。そこで生活道路側に沿って長いキッチンを設け、カウンターの窓から直接やりとりできるようにしたり、玄関とは別に庭から入って来られるようにしたりと、ただ住むだけではなく今後様々な展開ができるようにクライアントと共に小さな可能性をたくさん考えた建築となった。
用途:住宅
敷地面積:66.43㎡
建築面積:45.87㎡
延床面積:78.35㎡
構造・規模:木造在来工法 地上2階
竣工:2018年9月
構造設計:坪井宏嗣構造設計事務所
施工:スリーエフ
Photo:Norihito Yamauchi