住宅業界において、自然エネルギーを利用し住宅のライフサイクルCO2を低減する、環境共生住宅の考え方が普及し始めていることを背景に、不動産デベロッパーと共同で、商品住宅における環境共生のモデルとなる住居の原型を模索した。
建物計画の主要な試みとして、街区単位での風の動きを室内環境の制御に取り込むということを考えた。このモデルでは住宅地内にある4つの隣り合った敷地における通風調査と同時平行して平面計画をすすめた。今回行った通風計画は、密集した住宅地での個々の住宅の通風に配慮した設計という考え方と、街区単位での設計を行うときの風環境についての考え方の二つの概念を重ね合わせた物である。つまり、単一住戸での通風計画と、複数住戸間での通風計画をどのように同時に行うかがポイントになる。我々はCFDによるシミュレーションと風洞実験を実施しながら、それらの結果が出た各段階で平面計画へとフィードバックさせていった。
また、プロジェクトの一環としてヒアリングによるマーケットリサーチや、子供たちとのワークショップも行った。
チーム
東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 難波研究室
難波和彦、鴻野吉宏、横山翔太、岡崎啓祐、 イ・ヨングン、
長岡晃平
業務
住宅のプロトタイプ研究のチームのコアメンバーとして
環境共生住宅のコンセプトを立案、発展
4棟の内1棟の基本設計、実施設計を担当
成果
・市場調査、インタビューやワークショップを大学外の不動産会社と共同でおこない、サスティナブルな生活に対する消費者のニーズを明らかにした
・環境解析の技術者や構造の専門家とともに、技術的な要素とデザインを統合した