BAR ORANGE

Bar Orangeは、13席のカウンターそしてスタンディングバーが扉に収納された小さなバーである。クライアントはオレンジという名前にふさわしい硬質な皮とみずみずしいインテリアが欲しいと、この店のコンセプトを表現した。その話をうけ、限られた予算の中で、またバーという限られた機能、アクティビィティーを表現するにあたり壁、カウンター、照明という三つの要素に分解し、それぞれが個性を発揮しつつ、同時にもてなしの空間としてどう成立しうるのかというぎりぎりのラインを狙うことになった。壁、棚、扉は鉄で出来ている。巾をモジュールとして2.3㎜の鉄板の曲材に、フラットバーの補強リブを入れたものを一つのパネルとし、搬入条件とコスト面から工場で製作し現場で組み立てられるように検討を重ねている。またそのことが空間の性格となるように考えてもいるのだが、パネルは外壁であり、扉、間仕切りとなり、カウンターを支える足となる。パネルの重さが、蝶番の大きさや施工性に大きく響くので強度が保てる範囲で、できるだけ軽く薄くしている。また2.3㎜という厚みはスチールのエッジが刃物にならないギリギリの厚さでもある。パネルはリブを入れた面とフラットな面で、裏と表の表情をもち、単一素材で間仕切りながら個々のゾーンにおいて微妙に性格の違う空間を作り出すことが出来た。照明は空間の中で漠然とあるのではなく、スチールの壁、古材のカウンターに拮抗する空間要素としてあることが必要だと考えた。光伝送シートをポリカのシートでカバーし、125φのチューブ状にしたものをカウンターの端からトイレまで貫き設置した。その両端部から、75wのクリプトン球で光を送り込み、必要な空間の照度を確保している。


作品「BAR ORANGE 2002」の画像 その1 (建築家 : 芦沢 啓治)


作品「BAR ORANGE 2002」の画像 その2 (建築家 : 芦沢 啓治)


作品「BAR ORANGE 2002」の画像 その3 (建築家 : 芦沢 啓治)


作品「BAR ORANGE 2002」の画像 その4 (建築家 : 芦沢 啓治)


作品「BAR ORANGE 2002」の画像 その5 (建築家 : 芦沢 啓治)


Site: 東京

Architect: 芦沢建築設立事務所

Project architect: 芦沢啓治

施工: 関信明

Photo: Kozo Takayama

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