いずみ中央は湘南台より東に位置するベッドタウン的なニュータウンが広がる街です。和泉川が流れる谷に位置する駅周辺には親水広場があり、夏には水辺で遊ぶ子供たちで賑わっています。街路樹の木陰に沿って川辺を下ると、雑木林が立ち並ぶ小高い丘の途中に敷地があります。かつては養蚕が盛んだったというこの地域の家々は大きな敷地を有した農家的な家と、ニュータウン的な新しい家々が織り混ざっています。敷地は南側隣地との高低差があるおかげで南風が抜け、2階の高さからは富士をはじめとする山々を望むことができます。
日々の暮らしの中で、テラスを部屋の一部のように行き来できるようにしたいという思いから、家族が集う2階の大きなリビングに、三角形のテラスが大胆に割り込む計画 となっています。この割り込み(NOTCH)により、リビング、テラスダイニング、ダイニングを回遊できる広がりを感じられるようになりました。
2階ではリビングの一部として、1階では子供部屋の延長として、この半外部の空間が庭や景色の繋がりとなってくれます。玄関は、縁側のような長いベンチから入ります。子供たちの遊び場にもなる前庭との関係から構えすぎない玄関を計画しました。1階の天井高さを抑え、手の届きそうな2階との一体感を得ることで、玄関から家全体の一室感を感じられます。1階の天井に素地の波板板金を用いることで、光が内部で乱反射し窮屈にを感じさせないよう配慮しています。
【建築概要】
所在地:神奈川県横浜市
用途:専用住宅
家族構成:夫婦+子供二人
構造/規模:木造在来工法・地上2階建
敷地面積:137.57㎡
建築面積:59.63㎡
延床面積:100.62㎡
竣工年月:2018.08
構造設計:辰巳 雄一 (studio83)
施工:大同工業(株)・金澤板金
建築工事費:2000万円代
設計協力:溝部礼士建築設計事務所