「市川の住宅」は、鉄筋コンクリートの箱を入れ子構造によって構成しています。
外側の箱は、隣地や道路との関係をコントロールできるように開口部の大きさや位置を決め、内側の箱にはLDKや主寝室といった居住スペースを計画しました。
つまり、外側の箱は外部との関係を和らげ、内側の箱は生活空間のプライバシーをしっかりと守るようにしています。
そして、入れ子の隙間のスペースは内側の生活から少しはみ出たもの、例えば玄関や駐車スペース、リビングとつながるデッキスペース、浴室水周りなど、外部との関係を持ちながら内部とも繋がり、光溢れ風が気持ちよく抜け、生活を豊かにする余白の空間として機能します。
設計担当:納谷学、太田愉
構造設計:多田修二構造設計事務所 多田修二
施工業者:剛保建設株式会社 義本範人
構造形式:鉄筋コンクリート2階建(一部木造)
敷地面積:225.00㎡(68.06坪)
延床面積:152.55㎡(46.15坪)
1階床面積:79.45㎡(24.03坪)
2階床面積:73.10㎡(22.11坪)
ロフト階床面積:17.50㎡(5.29坪)
住宅地の一画に建っています。 外側のコンクリート打放しの箱の中に、内側の白い箱が少し頭を出しています。
前面道路から。右が駐車スペース、中央付近の開口が玄関アプローチです。
駐車スペースは、入れ子の隙間に計画しています。奥に小さな庭が見えます。
玄関アプローチです。 右の開口は、駐車スペースとつながっています。左奥は前庭です。
敷地奥の庭から道路方向を見たところです。上部は、リビングのデッキテラスになっています。1階は寝室です。
外からは、入れ子の箱の隙間の庭に植えた植栽が見えるだけで、家の中は見えません。
2階のリビングダイニングです。折れ戸を全開にすると、入れ子の隙間に造ったデッキテラスへつながります。
リビングからデッキに出ると、空が広がります。外からは見られない開放的なプライベート外部空間となっています。
リビングダイニングの逆方向から見たところです。右側にオープンキッチンがあり、その上がロフトスペースとなっています。
1階のメインベットルームです。正面はウォークインクローゼット、右手の外には入れ子の隙間に植えた植栽が見えます。
入れ子の隙間はいろんな種類の外部空間になっていて、空が切り取られます。
入れ子の隙間の庭に面し、寝室から繋がった1階の書斎コーナーです。
1階の水周りです。 浴室は、入れ子の隙間の坪庭に開いています。
2階の個室です。入れ子の隙間に設けているのでプライバシーが守られ、2つの庭から光が入り、風が通り抜けます。
2階の個室の書斎コーナーです。
駐車スペース奥の庭から見た夕景です。 1階は寝室、2階はリビング・ダイニング、そこから続くデッキテラスです。