福岡県・東峰村で、水害復興のシンボルとして、1日1組限定の一棟丸貸し宿泊施設・古民家ヴィラ「あんたげ」を計画しました。「あんたげ」とは、この地方の方言で、あなたの家という意味だそうです。
日本の棚田100選に選ばれた東峰村の美しい棚田に、原風景として残る古民家をリノベーションして宿泊施設として再生し、棚田の魅力を内外に伝え、保存していこうという企画です。
棚田と古民家の魅力を最大限引き出すために、増築や改装が繰り返されていた既存の古民家をなるべく原型にもどしながら、九州産の素材にこだわり、新しく提案した大きな土間空間とオープンキッチンカウンターを中心に、宿泊者がゆったりと日常から離れリラックスできる空間を目指しました。
事業主 :東峰村
設計担当:納谷事務所/納谷学、納谷新、高野健太、冨田恵
OYA/岡田祐介
構造設計:小西泰孝建築構造設計 小西泰孝
設備設計:ZO設計室 柿沼整三
照明計画:岩井達弥光景デザイン 岩井達弥
構造形式:古民家(木造在来工法)
所在地: 福岡県 朝倉郡東峰村
土地面積: 1078.26㎡ 延床面積: 152.59㎡
受賞歴 : AACA賞 入賞
掲載誌 :『住宅特集 2020年10月号』
棚田を吹き抜ける風を取り込む大きな土間空間。古民家の持つダイナミックな屋根裏の空間の下、ゆったりとした時間が流れます。
棚田の中に建つ古民家ヴィラ「あんたげ」
畳の大広間。二間の和室を繋げ、掘りごたつを設けました。障子は新旧を繋ぐデザインとして製作しました。
天井から吊るされたイサムノグチの照明が和室と土間を繋ぎます。
和室と繋がる板間のベットルーム。和室空間の魅力を引き立たせるように照明で安らぐ空間を演出しています。
八女石などの九州産の素材にこだわり、日常を離れリラックスできる浴室空間を提案。
古民家のダイナミックな空間で食事ができます。オープンキッチンで料理教室や食材持ち込みでの自炊もできます。
空家で放置されていた古民家。