最近では、結婚しても結婚式を挙げないカップルが全体の半分以上になったそうです。
その原因は何か?
様々な要因があると思いますが、クライアントは結婚式が身近にないと考えました。
かつての日本では、自宅で結婚式を挙げたり、近所の人が手伝ったり・・・、結婚式が身近で日常のスペシャルな場面として子供の頃から記憶されました。
ところが、最近は新郎がジーパンで式場に入って、見えない箱の中で式を挙げてジーパンで帰るという具合に、外からも見えないし、何が執り行われているのか分からないから結婚式の素晴らしさが伝わらないというのです。
私たちは、可能な限り結婚式場を街に開いて、多くの人に認知してもらえないかと考えました。
そこで結婚式を挙げてからバンケット会場に移動する時は、第三者に見えても構わないのではないかと考え、その移動空間をドラマティックに街に開き、見えるようにして、その移動空間をバンケットテラスと名付けました。
バンケットテラスは、結婚式場という現代の建築を街のシンボルとして決定づけるアイコンとしてのファサードをつくります。
先日、式が執り行われているときに通りかかると、通りの反対側で足を止めて二人を笑顔で見つめるOLがいました。
設計担当:納谷学、岡田祐介
構造設計:かい構造設計 寺門規男
施工会社:第一建設工業株式会社
構造形式:鉄骨造 4階建て
敷地面積:1712.46㎡(518.02坪)
延床面積:1992.94㎡(602.85坪)
1階床面積:931.09㎡(281.65坪)
2階床面積:895.31㎡(270.83坪)
3階床面積:726.32㎡(219.71坪)
4階床面積:308.72㎡(93.38坪)
受賞暦:木材活用コンクール 優秀賞
バンケットテラスが街に表情を作り、結婚式場を街に開きます。
夕暮れ時になるとバンケットテラスから街に賑わいが溢れ、結婚式場がより市民に身近のものになります。
バンケットテラスは、大きく通りに向かって跳ね出しています。
中庭を設け、建物全体に光と風が届くようにしました。
3階のチャペルです。秋田杉で新しい門出の二人を包んであげたいと考えました。
多くのひとに見守られて二人の門出が始まります。
3階のチャペルから、2階のバンケットに移動する時、バンケットテラスで二人は祝福のフラワーシャワーを浴びることでしょう。
バンケットテラスはバンケットと繋がります。
天井の高いバンケットです。正面の建具を開くとバンケットテラスと繋がります。
バンケットの中にも3階から二人が降りて来れるように演出用の階段を設けました。
バンケットテラスの下は、レストランです。デッキフロアと連続して、雨の日も店の賑わいが街に溢れるようにしました。
店の中からも通りが見えます。
街行く人から幸せな二人が見えます。
街にバンケットテラスが浮かび上がります。