閑静な住宅街にある行き止まりの道路に面しています。
接道は北側道路で、間口の大きい南側に庭を持つ、絵に描いたような開放的な敷地です。
でも問題は、隣地の南側駐車場で不特定多数の人の出入りがあること、そして将来同じ規模の住宅が駐車場に建つ可能性があることでした。
建物を北側に寄せ、南の庭との間に吹抜けのサンルームを挿入して、南側駐車場からの視線を和らげつつ、開放的な住宅を提案しました。
建物の南側に設けた大きな吹抜けのサンルームは、外からの視線の緩衝帯であり、外気との緩衝帯でもあり、光の緩衝帯であり、外からの音の緩衝帯でもあります。
この住宅の敷地の持っている複数のネガティブな要素を、一つの緩衝帯で一気に解決しようというものです。
設計担当:納谷学、島田明生子、松下有為
構造設計:長坂設計校舎 長坂健太郎
施工会社:大野ハウジング 大野輝明
構造形式:木造在来工法 2階建て
敷地面積:155.40㎡(47.01坪)
延床面積:113.65㎡(34.38坪)
1階床面積:69.97㎡(21.17坪)
2階床面積:58.59㎡(17.72坪)
南側駐車スペースからの全景です。外壁はガルバリウム鋼板です。 建物を南の間口いっぱいに広く構え、たくさんの光を享受します。
北側道路からの玄関アプローチです。駐車スペース兼ねていて、南側の庭が見えます。
玄関です。右手に2階への階段、正面には庭が見えます。左奥には、アトリエが続きます。
南の庭に開いた1階の土間空間です。南側のサンルームは、緩衝帯になっていて奥のアトリエへの動線にもなっています。
1階の土間に面しているお婆ちゃんの部屋です。小さな給湯スペースを用意しました。
玄関横には、洗面脱衣と浴室。サンルーム(緩衝帯)に開く開放的な浴室です。
洗面脱衣所の先には、お婆ちゃんの部屋です。
アトリエ入口からサンルーム(緩衝帯)を見ると、右手の開口が駐車スペースと玄関、左側が南庭になります。
アトリエは書籍の本棚が壁いっぱいにあります。その一部に庭が見える窓をつけました。
階段の踊り場は、1階の土間空間を見下ろす様にサンルーム(緩衝帯)にあります。
踊り場から吹抜けを介してアトリエ方向を見たところです。左の建具を開放しているのがリビング・ダイニングになります。
リビングの建具を開放するとサンルーム(緩衝帯)と繋がり、広がりが生まれます。季節にや時間帯によって建具を調整して住環境を整えます。
キッチン横のインナーバルコニーからサンルーム(緩衝帯)を見下ろしたところです。
寝室からサンルーム(緩衝帯)を通して外が見えます。近隣の街並みがピクチャーウインドウを通して絵画の様に見えます。
離れの三畳間です。建物からキャンチレバーで飛び出たせました。まさに離れ。
庭から見た夕景です。サンルーム(緩衝帯)が住居スペースを守ります。
南側駐車スペースからの夕景です。サンルーム(緩衝帯)が住居スペース全体のフィルターになっているのが分かります。